2. 北朝鮮の現体制を崩壊させるシナリオ
トランプ大統領が北朝鮮の現体制を崩壊させる行動をとるためには、議会での承認を得る必要があります。
現在の米国には、北朝鮮の核を容認するという意見があります。トランプ大統領は、メディアに叩かれまくってますから、北朝鮮への攻撃で、もし同盟国に大きな被害をもたらす結果になったら、徹底的に糾弾され、弾劾される可能性があります。
日本や韓国が迷っている状況では、トランプ大統領だけがリスクを負う選択などできるはずもありません。
メディアでは、米国へ届くミサイルの開発と、核の小型化に成功したことで、米国への脅威が拡大しているため、米国が北朝鮮への圧力を強めていると言っています。
事実そうなのかもしれませんが、単純に考えれば、日本海に潜んでいる潜水艦からミサイルを発射して、(事前に中国と韓国と日本に警告した上で)電磁パルス攻撃を仕掛け、その後、北朝鮮の主要な軍事拠点を攻撃するなど、今の米国の軍事力を考えれば、北朝鮮のミサイル配備が完了していても、米国への攻撃を回避することなどたやすいはずです。
今回のトランプ大統領の北朝鮮への圧力の強化は、核への脅威も理由になっていますが、それを利用した中国抑え込み政策だったのだと推測しています。
想定以上に北朝鮮が過敏に反応し、そして、安倍首相が覚悟を示したことで、トランプ大統領は、北朝鮮の現体制を崩壊させる方向へ舵を切りつつあるというのが実情ではないでしょうか。
安倍首相を「覚悟」させた、日本の事なかれ主義
今回の安倍首相の国連総会での演説は、日本人に被害者が出るのを覚悟の上で、日本が北への圧力の強化を求めるという訴えであり、米国民に対し、北朝鮮への攻撃を容認して欲しいと訴えたのだと考えられます。
安倍首相は、来週、衆議院を解散し、総選挙へ入ると言われています。この選挙は、表向き、憲法改正を望むか否かを問うものになりますが、結果によっては、(ある程度の被害を覚悟して)米国と共にアジアの主導権を得る戦いを継続するか、アジアを中国に任せるかが見えてくることになります。
圧力の強化は、日本人か韓国人に被害者を出し、米国を焚きつける作戦です。ひどい作戦だと感じるのかもしれませんが、そうなる前に、北朝鮮の体制を変えさせることがいくらでもできたはずです。究極の選択をしなければならない状況は、日本の中の事なかれ主義の結果です。