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日本人が現地で恨まれず騙されず「フィリピン不動産」で儲けるための条件~新興国投資(中)=俣野成敏

【現地の生情報を仕入れるのにもっとも適した商売から始める】

俣野:ダバオチームは現地に入られて、まずは現地語を覚え、相場観を身につけられた、ということですが、最初から不動産業を興されたのでしょうか?

DT:いえ、最初は金融業、つまり金貸し業から始めました。

俣野:なぜ、金貸し業を?

DT情報収集に一番適した業種がそれだからです。どういうことかと言うと、お金を貸す時は、当然ですが担保を取りますよね? 担保の多くが土地ですから。

俣野:なるほど。最初に情報を取りにいったワケですね。

DT:はい。もともと、フィリピンはお金を貸す側がとても有利な法律国家です。詳しいことは契約によっても異なりますが、一般的には3回払わなければ、基本的に担保は没収となります。お金を借りにくる人というのは、たいていお金がなくて困っている状態できますので、モノの原価を把握しやすいワケです。

俣野:日本でも、不動産取引は相対取引ですから、相手が困っている場合は、早く売りたいから安くても応じますよね。たとえば、相続税支払いのために、不動産を処分したい時などが、まさにそうです。

ダバオチームの方々は、そうやって土地の底値をリアルで知っていた、というのは大きな強みですよね。ところで、外国人がフィリピンで金貸しをしていて、現地の人はお金を借りにくるものなのでしょうか?

DT:クリスマスの時期には、入口に人が並びましたよ。

俣野:人が並んだ…それは、新聞広告等を出したりしたのでしょうか?

DT:いえ、口コミです。フィリピンでも、クリスマスは一大行事ですので、みんなお金が必要になります。

俣野:口コミとは、金利で有利な条件を出していた、ということですか?

DT:そうですね。後はスピードです。金利とスピード融資で、人が並ぶほど集まりました。

俣野:実際に返済に窮して、土地を担保として没収したのは、どれくらいの確率でしたか?

DT約6割くらいでしょうか。うちもあまり恨まれたくはなかったので、少しお金を上乗せし、売買契約書を交わして買い取るようにしていました。そのほうが早い、というのもありましたし。

【関連】第一人者が明かす「フィリピン不動産投資」の成功法則と暴君ドゥテルテの真実~新興国投資(上)=俣野成敏

俣野:大事な土地を担保に出してまで、お金を借りる理由は何でしょうか?

DT:ほぼ売りにきている、という感覚の人も多かったですね。「フィリピンは経済成長をしている」と言っても、実際はまだまだ貧しいですから、その日暮らしの人が大半です。場所にもよりますが、農地を売りにくる方の多くは、昔、国からの払い下げでもらった土地を売って、それでお金を手にされていた方が多いですね。

フィリピンは第二次世界大戦後、東南アジアの中でも、比較的スムーズに独立した国の1つです。ところが、既得権益の抵抗が強くて農地改革がなかなか進まず、土地を与えられた農民も、多くはそれで豊かになることはできませんでした。細切れにもらった農地で非効率な農作業をしてもお金になりにくく、農民が手放した土地を大資本が購入し、かえって貧富の差が拡大する一因となりました。

この、両極端の所得格差と、中間所得層が育ってこなかったことが、見えない障壁となって、これまでフィリピンの成長を阻んできた大きな要因の1つなのです――

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【関連】まさかの北朝鮮も? 海外不動産のプロが狙う「次のフロンティア」新興国投資(完)=俣野成敏

投資に「近道はない」

幸運は、“目の前にある”だけではつかめない

「ダバオの奇跡の成長」は、今始まったばかり

日本人をもっともダマしているのは“日本人”

自分は投資をする覚悟ができているかどうか?〜今週の宿題

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次回予告

次回は「新興国投資」特集の続編をお送りします!内戦の続くフィリピン・ダバオの地に乗り込んだ日本人不動産チーム。当然ながら、現地には一人の知り合いもいない状態でした。彼らは一体、この状態からどうやって、当地で商売を始めたのでしょうか?

・異国の地で、ダマされない方法ってあるの?
・お互い知らない者同士が、相手の実力を見抜く方法とは?
・海外で情報収集するコツって何?
・有力な投資先と出会うノウハウってある?ない?

「言葉もわからない」「土地勘もない」異国の地での成功法則とは!? 次回の特集も、どうぞお楽しみに!

【Vol.73】「新興国投資(中)」(10/26)目次】

〔1〕イントロ:
フィリピン経済を理解する上で外せない2つのキーワード

〔2〕本文:
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(中)
〜失敗しない新興国投資とは?〜

1. 新興国投資の光と影
 ◎現地価格で土地を仕入れる究極の方法とは
 ◎現地の生情報を仕入れるのにもっとも適した商売から始める

2. 投資に「近道はない」
 ◎幸運は、“目の前にある”だけではつかめない
 ◎「ダバオの奇跡の成長」は、今始まったばかり

3. 日本人をもっともダマしているのは“日本人”

★本日のワンポイントアドバイス☆★

☆今週の宿題★☆
「自分は投資をする覚悟ができているかどうか?」を考えてみよう

〔3〕次回予告(予定):
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(下)
〜失敗しない新興国投資とは?〜

〔4〕今週のQ&Aコーナー:
投資はやっぱり運次第?!

〔5〕編集後記:
マネースクール 全国展開に向けて始動!

〔6〕今後の特集スケジュール:
2017年11月予定

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【Vol.74】『新興国投資(中)』目次(10/26)
イントロ:フィリピン経済を理解する上で外せない2つのキーワード
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(中)〜失敗しない新興国投資とは?〜
1. 新興国投資の光と影
 ◎現地価格で土地を仕入れる究極の方法とは
 ◎現地の生情報を仕入れるのにもっとも適した商売から始める
2. 投資に「近道はない」
 ◎幸運は、“目の前にある”だけではつかめない
 ◎「ダバオの奇跡の成長」は、今始まったばかり
3. 日本人をもっともダマしているのは“日本人”
今週の宿題:自分は投資をする覚悟ができているかどうか?
今週のQ&Aコーナー:投資はやっぱり運次第?!
編集後記:マネースクール 全国展開に向けて始動!

【Vol.73】『新興国投資(上)』目次(10/19)
イントロ:好調な新興国に忍び寄るテロの脅威
「新興国投資でキャピタルゲインを得る方法」(上)〜失敗しない新興国投資とは?〜
1. 新興国の投資神話は実在するのか?
 ◎ダバオの今の繁栄は、現大統領のコネのおかげ?
 ◎新興国で20倍の儲けが出た“究極の投資術”とは?
2. 新興国投資の現実を知る
 ◎「土地が上がる」筋書きはあらかじめ用意されている?!
 ◎やはり投資初心者に海外投資は高嶺の花?
3. どんなに長い戦争も、やがて終わる
今週の宿題:自分の理想とする投資を考えてみよう
ニュースのビジネス的着眼点:ドラッカー博士は「副業・兼業時代がくる」ことを予言していた!
編集後記:ミンダナオ島より最新ニュース!

【Vol.72】『リタイヤ論(下)』目次(10/12)
イントロ:キヨサキ氏の言う「速くお金持ちになる方法」とは?
「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(下)〜少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える
1. 日本の未来を見据える
 ◎年金を当てにしてはいけない理由
 ◎考えられる日本の「現実的な未来」
2. 既定の未来を変える方法
 ◎老後破産を防ぐための4ステップ
 ◎具体的な一歩を踏み出す
3. 選ぶのは「あなた自身」
今週の宿題:自分の老後について思いを巡らせてみよう
今週のQ&Aコーナー:今さらだけど、「投資で成功する方法」って?
ニュースのビジネス的着眼点:ついに仮想通貨取引所が正式認可!
編集後記:私が考える「究極の老後対策」

【Vol.71】『リタイヤ論(中)』目次(10/5)
イントロ:「念願叶ってリタイヤした後」の先にあるものとは?
「人類未曾有の超高齢化社会の行く末とは?」(中)〜少子高齢化時代の「リタイヤ」を考える
1. リタイヤは「バラ色の世界ではない」
 ◎理想のリタイヤをするには、「計画と実行」が不可欠
 ◎ハメを外しすぎたツケは後に回ってくる
2. それでも早期リタイヤをしたい人は
 ◎まずは「可処分時間を意識する」ことから始めよう
 ◎目的のないリタイヤでは「路頭に迷う」
3. 早期リタイヤの近道とは「サラリーマンをやり尽くす」こと
今週の宿題:「自分の老後はいつなのか?」を考えてみよう
今週のQ&Aコーナー:投資のリスクを回避する方法って?
ニュースのビジネス的着眼点:変わりつつある「日本の常識」
編集後記:当マネースクールにも通ずる古典の名作がアンリミテッドで読み放題!


※本記事は有料メルマガ『俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』2017年10月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文もすぐ読めます。

【関連】いくらで人生逃げ切れる?超少子高齢化社会の「ハッピーリタイヤ」入門=俣野成敏

【関連】「海外銀行口座」開設への道~いま日本人であること、国外に資産を置くということ=俣野成敏

【関連】マレーシア第2の都市・ジョホールバルが「廃墟化」するこれだけの理由=午堂登紀雄

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俣野成敏の『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』実践編』(2017年10月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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