広告クリック数はこれまで通り大幅増
初めに広告のクリック数を見てみます。
クリック数の絶対値はいつも開示されませんが、広告クリック数はYoY+47%、QoQ+6%と、非常に早いペースで成長が続いています。
このトレンド自体はこれまでと同様で、特にAndroid Oがグローバルで80%を超えるマーケットシェアを誇っていますので、スマホが売れれば売れるほど、Googleの広告が掲載される「面(媒体)」が増えることになり、広告のクリック数がこのような高い成長率で増え続けている、というのが、Googleのここ数年間のトレンドです。
クリック単価がついに上昇へ
次に、広告のクリック単価を見てみたいと思います。
広告のクリック単価はYoY-18%になっています。このクリック単価のマイナス成長も、これまでのトレンド通りです。
なぜクリック単価が下がるかと言うと、Googleの広告売上の中で、PCにおける広告売上はおそらく減少傾向か、良くてもフラットな状態である一方で、スマホの広告売上が圧倒的に増えています。
クリック単価を考えると、PCにおける広告の方が、クリック単価は圧倒的に高い傾向にこれまでもありました。スマホが登場する前はGoogleのビジネスはほぼ100%、PCにおける広告であったため、Googleの売上に占めるスマホ広告の割合が増えれば増えるほど、そしてスマホ部分の成長率が高ければ高いほど、クリック単価は下がっていくことになるわけです。
今回注目すべきは、前四半期ベースで見るとかなり久しぶりにプラスに転じた、ということに尽きます。
Techcrunchのグラフが一番わかりやすいのでそちらを掲載しますが、このグラフにあるように、これまではYoYでもQoQでもマイナス成長が続いていたのが、ようやく今回プラスに転じたというわけです。
この、クリック単価がプラスに転じたという事実は、Googleの広告ビジネスを考える上では、非常に重要な点になります。
これが意味するところはおそらく、PCにおける広告売上の減少のスピードを、スマホによる広告売上の増加のスピードが大きく超え始めた、という非常に意味のあるティッピングポイントになるからです。
広告クリック数自体はYoY+40%を超えるスピードで成長していることになりますので、クリック単価が下げ止まれば、Googleの広告ビジネスの成長スピードはさらに加速することが十分期待できるでしょう。