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Googleはさらに成長する!そのカギとなる「たった1つのKPI」とは?=シバタナオキ

トラフィック獲得コストが上昇しているのはなぜか

最後に、今回の決算でアナリストたちから最もネガティブに捉えられていたのが、トラフィック獲得コストの上昇です。

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この表を見ればわかる通り、Google全体の広告売上のうち、23%がトラフィック獲得コストとして計上されており、その数値が上昇していることが読み取れます。

このように、トラフィック獲得コストが上がっていることをアナリストたちは嫌っているわけですが、個人的にはあまり問題がないのではないかと感じています。

トラフィック獲得コストが上がっている理由は大きく分けて2つ考えられます。

1つ目は、AppleのiPhoneに検索エンジンを提供することで、Appleに対して非常に大きな媒体費用を払っていることです。このAppleへの媒体費用は年々増加を続けており、このインパクトが少なからずあることは否めません。

もう1つは、スマホにおいては検索連動広告よりも、ディスプレイ広告の方が伸びが早い、という点です。Googleはもともと検索エンジンの会社ですが、AdSenseやアプリにおけるAdMobなどを含めて、ディスプレイ広告の売上も非常に大きな会社です。Googleの広告売上におけるスマホの割合が大きくなればなるほど、全体としてはディスプレイ広告の売上が大きくなります。

検索連動広告とディスプレイ広告を比べると、検索連動広告はほぼ自社が運用する媒体、つまりGoogle.comで提供される場合が多いため、トラフィック獲得コストは総体的には小さいわけですが、ディスプレイ広告の場合は、他社の媒体に広告を配信するケースも多いため、相対的にはトラフィック獲得コストが大きくなります。

従って、トラフィック獲得コストが上がっているという点だけを見ると、必ずしもポジティブではないのかもしれませんが、逆に考えるとスマホ化の波に上手に乗っているとも言えますので、個人的にはあまり心配する必要はないのではないかと思います。

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以上、今回はGoogleの決算を久しぶりに詳しく見てみました。

中でも、広告のクリック単価が上昇軌道に乗り始めたというのが、見逃すことができない非常に大きなニュースなのではないかと思います。

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image by:lightpoet / Shutterstock.com

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決算が読めるようになるノート』 2017年11月7日号『Googleの成長が更に加速しそうだと思わせるたった一つのKPI』より抜粋
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