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イエレンとトランプの「戦い」 警戒される3月15日危機の切り抜け方=藤井まり子

「天才的トリックスター」としてのトランプ大統領

バブルを作るには、バブルを作る人々が必要です。ここで言うバブルを作る人々とは、小悪魔的なトリックスターたち、小悪党の天才たちです。

サブプライム・バブルのころは、「金融工学を駆使して、リスクの高いCDO(債務担保証券)などを細分化して、あたかもリスクの低い金融商品であるかのように組成しなおして、(本当はリスクが高いのに)その金融商品を大量に売りさばいていた人たち」や、「そのリスクの高い金融商品に『トリプルA』の高い格付けを与えていた格付け会社」などなどが、トリックスターたちでした。

ITバブルのころは、「実体のないIT関連企業や、赤字のIT関連企業の粉飾決算を見抜ぬこうともしなかった大手会計事務所」などが、トリックスターでした。

でも、今回の「先進国株式ブーム」では、こういったトリックスターたちが、なかなか現れませんでした(2015年の日本では、一部証券などに、日本の適正株価を従来のPERではなくROAで計ろうとする「トリック的な動き」がありました…)。

今回の「先進国株式ブーム」では、「トリックスターが現れない」ことが不思議であるといえば不思議でした。が、「100年に一度の危機」が起きたばっかりで、金融規制が厳しく強化された後だったので、現れないのが、当たり前といえば、当たり前だったかもしれません。

アメリカ株式市場では、ブームは巻き起きても、バブルの領域にまでは、なかなか足を踏み入れることができなかったのです。

ところが!「先進国株式ブーム」の最後の最後になって、その「トリックスター」がアメリカで現れてしまいました。その「トリックスター」は、なんと、アメリカの新大統領その人だったのです。

「トランプ・ラリー」は、バブルの領域に足を踏み入れています。

この「トランプ・ラリー」のトリックを最初から見破ることができた人々は、アメリカFOMCのメンバーたちや、手前味噌ながらこのメルマガや、ジョージ・ソロスやガンドラックなどの少数の理論派だけ(すんなり普通に見破ってしまったので、おかげで、チャンスをかなり見逃してしまいました)。

たいていの人は、いえ、ほとんどの人、大多数が、新大統領のトリックを見破れませんでした。トランプノミックスが欠陥車であることに気がつかなかったのです。たいていの人は、「すごい!これからは景気が良くなる、株価が上がる!」と踏んだのでした。

中には、トリックを見破っていたにもかかわらず、バブルをあおる側に回ったヘッジファンドマネージャーもいました。

かくして、トランプ大統領は、アメリカ株式市場でバブルを巻き起こすことに成功しました。トランプは天才的なアジテーター、天才的なトリックスターです。

いったん、バブルが起きたならば、バブルは行き着くところまで行くのでしょう。

しかしながら、「トランプのトリック」はあまりに成功し過ぎたので、とうとう、イエレンFRBが「早々とバブルつぶしの利上げ」に乗り出すことになりました。

行動経済学者でノーベル経済学者のロバート・シラー博士が、「アメリカ株はあと4%上昇するだろう」と発言したのは、2月20日のこと。その後、株価はグローバル規模で「うなり」をあげて上昇しています。

冗談みたいな話ですが、「シラー博士の予言」が予定調和的に働いて、今の内外の株式市場は「バブルの最後の一刷毛」状態です。

本当に冗談みたいな話だけど、馬鹿みたいな話だけど、S&P500ならば、2450ポイントあたりを、ダウならば2万1450ポイントあたりを、ナスダックならば6050ポイントあたりを、それぞれタッチしてから、すなわち、2月20日から数えて4%くらい上昇してから、アメリカ株は崩落を開始するかもしれません。

それくらい、今の米国株式市場は「イケイケ」「熱狂」状態です。

なにはともあれ3月3日には、後述するように、イエレンFRBが「3月利上げ」を明快に予告いたしました。近いうちの「大幅調整」は、必至なのではないでしょうか?

それとも、バブルは「5月売り」まで突っ走るのでしょうか?

Next: 「トランプラリー」は、「イカロス・トレード」になるのか?

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