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ギリシャはスケープゴートにされるのか?欧州発のトリプル安が起きたらどうなる?

ECBへの返済を6月末に一本化したギリシャ。はたして無事返済できるのでしょうか?今月末にはひとまずの決着が見えるようです。資産管理の専門家・藤井まり子さんは、仮にギリシャが破綻するとすれば内外の株式市場は冷え込みそうだと語っています。

欧州発のトリプル安で株は買い時を迎える!?

ギリシャは、スケープゴート(ポルトガルとスペインやイタリアへの見せしめ)として、しばらくは「無秩序なデフォルト」に陥ってもらって、しばらくは混乱してもらうしかないのではないかと。

EUはそう考え始めているのではないか、と。

すなわち、新ドラクマ発行でも何でもよいから、ギリシャには並行通貨のようなものを発行してもらって、しばらくはお茶を濁してもらう。

ギリシャ経済は一時的な大混乱に陥るだろうけど、大混乱ならばギリシャ人は慣れているかもしれない。少なくとも「出口の見えないデフレ」よりは「一時的な大混乱」のほうが、ギリシャにとっては「まし」かもしれない。

少なくとも、EUにとっては、イタリアやスペイン・ポルトガルへの「いくばくかの見せしめ」にはなる。

EUとしては、「わがままを言ったギリシャ」には一時的にせよ混乱に陥ってもらうしか、ほかに方法はないのではないか……。

そして、この夏、ギリシャが新ドラクマなどを発行しようものなら、内外のマーケットのほうがもっとびっくりして大大大混乱して、一時的にも、ユーロ圏ではトリプル安(株安・債券(国債)安・通貨安)が巻き起きてしまうことでしょう。トリプル安を起こしたくてウズウズしているヘッジファンドたちはとても多いでしょう。

EUとしては、マーケットでトリプル安のようなものを起こして、すなわち、「株安・債券(=国債)安・ユーロ安」のようなものを、半ば意図的に起こして、北欧州の有権者たちに、「こんな恐ろしいことが起きるくらいならば、まじめに財政統合への道を手探りするしかほかに方法はないんだ!!!」「南欧州を救済したほうがよいんだ!!!」と、「経済学的には正しいこと」をはっきりと認識してもらうしか、ほかに手立てはないのではないのと……そう感じ始めているのではないでしょうかね……。

私個人は、「欧州発トリプル安」なんてことが起きることは望んでいません。「欧州発トリプル安」なんてことが起きたら、それは世界中に伝播します。

特に、今現在の日本株式市場を買い上げている人々は、欧州勢が中心です。ここ2週間、欧州の「超高速でのアルゴリズム取引」を得意とするヘッジファンドたちが、やみくもに日本株を買い上げています。

「欧州発トリプル安」が万が一起きれば、この夏の内外の株式市場は、冷夏になってしまいます。

グローバル規模で「欧州発トリプル安」なんてことが起きれば、ドルも円も「逃避先」として高くなります。アメリカFRBは利上げを先送りするしかないでしょう。一方、日本の黒田日銀は、ドラーギECBと同じで、行き過ぎた円安や行き過ぎた日本国債バブルが修正されるので、かえって追加の金融緩和策を打ちやすくなることでしょう。

この夏、もし仮に「トリプル安」なんてことが起きれば、これはチャンスです!!! 力いっぱい、さらなる株式購入へと動きましょう。

資産形成・マクロ金融deあそぼ♪ − 貞子ちゃんの連れ連れ日記』5月29日号より一部抜粋

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