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ECBの量的金融緩和策の継続のために「スケープゴート」にされるギリシャ

佳境を迎えているギリシャ問題。『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』を配信する藤井まり子さんは、ドラギECBは将来のバズーカ砲第2弾のためにギリシャ危機を利用し現在進行形の「国債バブル」を崩壊させたいのではないか、との警鐘を鳴らしています。

今のギリシャはアメリカの「金融安定化法案」否決時に似ている

振り返れば、リーマンショックの激震が走る直前の9月29日。アメリカの下院では、大方の予想を裏切って、「金融安定化法案」が否決されてしまいました!

「起きてはいけないこと」が起きたのです。

誰もが想像だにしていなかったことが起きてしまったのです。この日、NYダウは、777ドルの史上最大の大暴落を記録します。

これに驚いたアメリカ議会は、やっと迅速に対応。金融安定化法案は、その5日後の10月4日にやっと成立できたのでした。

「こんなに迅速に可決できるならば、最初からさっさと『金融安定化法案』を可決していればよかったじゃないか?」と、たいていの人が素朴な疑問を抱くかもしれませんが、そこが民主主義の不思議なところなのです。

大暴落が起きるまで、アメリカ下院では、「貪欲な投資銀行が大損しただけだから、そんな貪欲な投資銀行を救済する必要なはい!」という「B級の道徳論」がまかり通っていたのでした。

この「B級の道徳論」、どこかで聞いたような話ではありませんか?「怠け者のギリシャ人が破たんしているだけだから、そんな怠け者を救済する必要はない!」といった、ドイツ国内のB級の論調に、どこか似ていませんか?

ギリシャ危機は、すでにお伝えしておりますように、「ゆっくり進むサブプライム危機」です。ですから、ギリシャ危機がもし起きてしまったならば、向こう1年くらいは、ECBのバズーカ砲の連打などで、何とか対応は可能です!

しかしながら、ギリシャ危機が一部分だけでも「現実の危機」となって顕在化してマーケットが続落しないかぎりは、ユーロ圏の選挙民の間では、「ギリシャ救済」「追加のバズーカ砲」への合意形成は、まずは不可能なのではないでしょうか?

ケチなドイツ人にとっては、一度「地獄の深遠」を見ない限り、「ギリシャ救済」を支持することは不可能なのではないでしょうか?

今年の夏は、ギリシャが本当に「新ドラクマ」のようなものを発行して、ユーロ以外の「並行通貨」を発行し始めて、内外のマーケットで、「トリプル安(ユーロ安・株安・金利高)」が巻き起きるかもしれません。

一時的な「トリプル安」を起こさなければ、政治的な解決の糸口がまるっきり見い出せないのが、今のギリシャ問題なのです。しかも、「トリプル安」は、ドラギECBの金融政策の選択肢が広がって、ECBにとっても都合がよいわけです。

この日本でも、「リスクオフ」の「円高・株安・金利高」が巻き起きることでしょう。

ビル・グロス氏も、なにげに、「次はイギリス国債とスペイン国債だ」と示唆しています。ビル・グロス氏も、なにげに「イギリス国債とスペイン国債」を例に挙げて、とぼけていますが、まぁ、今のユーロ圏の国債市場は「全般的にバブルだ」ということです。

ドラギECBも、バズーカ砲を継続するためにも、あるいは、将来のバズーカ砲第2弾をスタンバイさせるためにも、「ギリシャ危機」でも何でもよいから、利用できるものは利用して、今現在進行形の「国債バブル」を崩壊させたいのではないでしょうか?

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』5月29日号より一部抜粋

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