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不思議なドル安とビットコイン急落。安倍首相は「伝家の宝刀」を抜くか=江守哲

各国で広がる「仮想通貨規制」の動き

日本は17年4月に仮想通貨と現金を交換する取引所を登録制とする規制を導入済みです。麻生太郎財務・金融相は「なんでもかんでも規制すればいいというものではない。バランスをとりながらやっていかなければいけない」としていますが、さすがに今回の乱高下を見ると、危険性を感じているはずです。

また、米証券取引委員会(SEC)は、ビットコインなどの仮想通貨に投資するファンドの安全性や投資家保護に対する懸念を表明しました。SECは2つのファンド業界団体に宛てた書簡で、ビットコインに裏付けされた投資信託やETFがその資産をどのように保管・保護し、価格を決定するかについて、少なくとも31の質問に回答するよう求めたとされています。

さらに、投資家がリスクを理解することが可能かどうかや、ビットコイン市場が操作される可能性があるという懸念にどのように対応するかについても回答を求めています。

SECは、投資家保護という点で多くの問題があるとし、ファンドが提供される前にこうした問題を調査する必要があると指摘しています。

また、証券監督者国際機構(IOSCO)は、新規仮想通貨公開(ICO)が非常に投機的で、投資家保護への懸念が出ているとの見解を示しています。

新興企業の間では、ICOを通じて新たな電子通貨を発行する動きが出ており、ICOで発行されたトークン(権利証)などはビットコインなどの仮想通貨と引き換えられる条件で投資家に販売されます。

IOSCOは声明で、「こうした手法に明らかなリスクがある」とし、「きわめて投機的な投資で、投資家はすべての投資資本をリスクにさらしている」と警告しています。

今後の値動きは不透明

このように、ビットコインなど仮想通貨を取り巻く環境は変わりつつあります。金融規制当局が規制等に重い腰を上げつつあり、これまでの上昇の勢いに陰りが出る可能性もあります。

こうなると、これまで買えば上がるとみられていたビットコインが、今後もそのような動きになるのか、非常に不透明です。また、他の仮想通貨に資金が移るのかにも注目が集まるでしょう。

いま、ビットコインに関する本を読んでいますが、その背景は非常に複雑ですね。それらからすれば、将来の価格は上昇と下落の両方の可能性がありそうです。もう少し勉強して、自分の考えをまとめたいと思います。

ちなみに、次項にあるような価格レンジの分析を行おうとしましたが、あまりにデータが少なく、できませんでした。あと5年程度のデータは必要といえそうです。あと、下げた年がもっと出てこないと、データが完成しません。価格分析が完成するには、まだ相当の年数が必要といえそうです。

Next: 2018年全体と1月の想定レンジは?

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