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ギリシャ問題で下げる中、インバウンド関連銘柄が上昇!今週の相場まとめと来週の展望

今週の株式相場は、週前半の好調ぶりから軟化していた先週の流れから、月曜日に大幅調整を余儀なくされると、火曜日、水曜日、木曜日と見直しが進んだものの、金曜日には売り直される場面もあり、先週とは一転して週初の調整が目立っています。

日経平均株価は、先週末の2万700円台から、月曜日には2万100円台まで下押しする大幅安。火曜日に2万200円台、水曜日に2万300円台、木曜日は2万500円台まで戻す場面もありましたが、戻りは限定的で金曜日は2万500円台の揉み合いに終始しました。

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日経平均株価チャート 2015年7月3日終値(クリックすると拡大します)

先週末には中国中銀による利下げ実施が伝わったいたものの、欧州首脳間で行われたギリシャ支援協議が決裂。支援プログラムが失効する見通しとなり、ギリシャは銀行閉鎖・資本規制に踏み切るなど、デフォルト懸念の高まりとともに週明け早朝の為替相場はユーロが急落。外部要因では中国中銀の利下げを打ち消す悪化が確認されました。

米国株安に為替相場の急激な円高進行を嫌気した売りで、日経平均株価が一時600円超の暴落を記録。中国、上海指数が急落したこともあって、日経平均の終値は先週末比596.20円安の2万109.95円と、今年最大の下げ幅を記録しました。

ただ、ギリシャショックの後、主要市場で最も早く取引を開始する東京市場の傾向から、渦中の欧州市場を先回りする形で調整が先行したことで、想定通りの欧米株安を確認した火曜日には見直し買いで切り返す動きに。ただし、5日、25日両移動平均線を奪回するには至らず、前日比125.78円高の2万235.73円と弱い自律反発の枠内での動きに終始。

それでもプエルトリコのデフォルト、中国株安と外部要因は低調。30日を期限とするギリシャ債務期限の不履行も、水曜日の寄り付き前に発表された6月の日銀短観では大企業製造業DIが前回調査、市場予想であるプラス12を上回るプラス15となるなど、経済指標好感の買いが下支えし、日経平均株価は前日比93.59円高の2万329.32円と続伸。膠着相場の中で個人投資家主体の小型株の売買が目立ちました。

ギリシャのチプラス首相が債権者側の提案の一部受け入れ方針を伝え、ギリシャ問題の進展期待が高まるも、同首相がテレビ演説で国民投票では緊縮策を拒否するように呼びかけ思惑が交錯。ただし、米国市場では6月ADP雇用統計が市場予想を上回ったほか、ISM製造業景況指数も改善するなど、経済指標好感の米国市場上昇とともに木曜日は買い優勢の展開となり、日経平均も前日比193.18円高の2万522.50円と続伸しましたが、狭いレンジでの膠着相場となりました。

米国時間帯発表の米雇用統計、翌日の米国市場休場。そして週末のギリシャ国民投票のイベントを控えるなか、上値の重さが見られています。

ただ、良好な経済指標が続いていた米国も6月の米雇用統計では雇用者数増加は予想を下回る内容に。金曜の米国市場が独立記念日の振り替え休日で休場となるなかで、金曜日の株式市場は週末のギリシャ国民投票に向けて売り先行の展開に。ただ、米雇用統計の予想下ブレによる米国株安、円高推移が嫌気されたものの、売り一巡後は底堅い展開で、日経平均株価は4日続伸。朝安から切り返し、週初の調整からの戻りが続きました。金曜日の日経平均株価は、前日比17.29円高の2万539.79円で取引を終了。チャート上でもローソク足も陽線転換、25日移動平均線(2万411.04円)を保っています。

さて、今週は週後半から米雇用統計、米国市場休場に週末のギリシャ国民投票を控えるなか、イベント警戒の流れが強まる格好。物色傾向でもテーマ株や材料株など具体的な手掛かりのある銘柄に資金が向かう流れが確認されています。

個別銘柄では、インバウンド消費関連の資生堂、ラオックスにエボラ出血熱関連の富士フイルム、コンテンツ関連のミクシィ、ガーラなどが人気化しました。

そこで来週は、週末のギリシャ国民投票結果を注視するとともに「政策関連のテーマ株」に注目してみてください。

ギリシャ国民投票結果で外部要因改善が確認されれば、投資家心理改善とともに上値志向も高まるところ。一方で軟化したとしても具体的な物色の手掛かりのあるテーマ株には今週同様に資金流入が期待されるでしょう。

ギリシャ国民投票では、最新の世論調査によると、緊縮策受け入れ賛成派は44.8%、反対が43.4%と拮抗。賛成派が市場予想よりも多いとの見方もありますが、まずは結果を見極めて株価の反応をみたいところです。

また、先月末にはアベノミクスの成長戦略「日本再興戦略改定版」が閣議決定されるなど、政策関連テーマへの注目度も増している状況。地合いに左右されにくい政策関連を選別していきたいところ。

金曜日の後場の相場復調はイベント通過によるリスク選好の流れを先回りするものといえ、ギリシャ国民投票結果で外部要因改善が確認されれば、投資家心理改善とともに上値志向も高まるところ。一方で軟化したとしても具体的な物色の手掛かりのあるテーマ株などには今週同様に資金流入が期待されるでしょう。

プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』(2015年7月3日号)より一部抜粋

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