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「わが青春の東芝」に幻滅 日経新聞の“好意溢れる”報道は欺瞞的だ=山崎和邦

粉飾スパイラルに揺れる東芝。投資歴54年・大学教授の山崎和邦氏は、「東芝には大いに幻滅した」とし、3連休を利用してまで“好意溢れる”報道を続けるメディアの姿勢にも疑問を隠しません。

では、東芝株はここから売りか、といえば、山崎氏は「長期的にはむしろ買い」もあり得ると言います。それはなぜなのか?投機家の柔軟な思考を見てみましょう。

揺れる東芝~日経新聞の“好意溢れる”扱いは意図的だ

東芝は筆者の青春と共にあったものだ。大いに幻滅した。筆者は初めは大型プラントの中途売り上げの計上の問題だと思っていたから、似たような事は日立にも重工にも川重にもありうる、くらいに思っていたし本稿にもそう書いた。

ところがストップ安の後も、状況は日に日に悪くなっていく。が、それらを報じるメディアの記事には、どこか“善意”が感じられ「組織ぐるみの粉飾」という言葉は日経新聞にも日経ヴェリタスにも一言もない。

だが、さすがに東芝に好意的だった日経新聞も「不適切」から「虚偽記載」へ移ったことはやむを得ない。日々、読み進むうちに「ミスではなく組織ぐるみの意図的な大粉飾決算だった」ということがわかる内容だ。

普通なら直ちに特設管理ポストに“落ちて”上場廃止に向かうところであろう。

経団連の名会長を2人輩出し、東証の社長、郵貯の社長を輩出した名門企業だ。また既報で述べたが前社長の出自も異色で筆者は好感を持っていた。

東大を出て東芝に入社後、イラン人の美女を思って敢えてイランに転籍しその美女をめとって帰国した。そういう男を社長にするという企業文化にも好感した。

ところで読み進むうちに大掛かりな意図的な組織ぐるみの大粉飾だったことが判明してきた。

当然、特設注意ポストに入る。ここへ入れば直ちに上場廃止になるという訳ではないが「問題がある企業」として投資家に公に注意を呼び掛けるということになる。監視委員会は東芝に課徴金を課するよう金融庁に申請するという。

日経新聞は「組織ぐるみの意図的な大粉飾決算」と言わずに「不適切」と言い続け、やむなく「虚偽記載」と言い進んだが、意図的に3連休の前に発表した。

この好意溢れる扱いは連休明けの相場を落ち着かせよう。

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大学院教授(金融論、日本経済特殊講義)は世を忍ぶ仮の姿。その実態は投資歴54年の現役投資家。前半は野村證券で投資家の資金運用。後半は、自己資金で金融資産を構築。さらに、現在は現役投資家、かつ「研究者」として大学院で講義。2007年7月24日「日本株は大天井」、2009年3月14日「買い方にとっては絶好のバーゲンセールになる」と予言。日経平均株価を18000円でピークと予想し、7000円で買い戻せと、見通すことができた秘密は? その答えは、このメルマガ「投機の流儀」を読めば分かります。

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