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日本の年金制度は本当に維持できるのか? アメリカ・ロシアでさえ破綻寸前=矢口新

アメリカ、ロシアでも年金問題が時限爆弾として警戒されている。日本はいわずもがな。長引くマイナス金利政策が年金制度を日増しにぐらつかせる危機的状況だ。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)

※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』2018年8月30日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

暮らしを支える年金が不安を煽るというジレンマ。打開策はあるか

バフェットも警鐘「米国の時限爆弾は“年金”」

ウォーレン・バフェットは、米国の時限爆弾は年金問題だとした。低金利が続き、高金利時代に設計した利回り提供で、積立金が減少しているからだ。

全米50州の公的年金で、積立率が健全とされる80%を超えるのはわずか10州。イリノイ州やケンタッキー州など7州は50%を切る。

高金利時代に設計した制度の限界が露呈しており、運用利回りは年1%程度なのに長期の想定利回り(予定利率)をなお7〜8%に設定したままの州年金もある。

出典:兆ドル、年金の自縄自縛 逃げ水の利回り – 日本経済新聞(2018年8月29日配信)

ロシアでは支給年齢引き上げに反発が強まり、プーチン大統領の支持率が急落している。

中国では退役軍人の年金を巡り、待遇改善を求めるデモが頻発する。

出典:同上

米ウイリス・タワーズワトソンの調査では、主要22カ国の年金マネーは17年末時点で41兆ドルと10年前の1.6倍に増えた。

世界の債券市場の時価総額の24%に相当する規模に膨らんだ年金マネーは、まるで「池の中の鯨」。

自らの買いで金利を押し下げ、高利回りが逃げ水のように去っていく。

出典:同上

給付を下げれば消費を直撃し、放置すれば破綻は免れない。膨らむ資産が金利上昇を阻み、積極運用に頼れば過度なリスクテイクにつながる。

将来の暮らしを支えるはずの年金が、国民や市場の不安を高めるジレンマの処方箋はみえない。

出典:同上

米国で、ほぼゼロ金利だったのは5年弱だけ。過去20年ほどの平均は2%内外だ。米10年国債では、最も低いのが1.37%、高いときは7%近くある。

その意味では、20年以上の超低金利政策、このところは短期から7〜8年国債までのマイナス利回りが続いている日本とは比べ物にならない。

Next: さらに危ない日本の年金。デフレでもインフレでも逃げ場なし

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