シリコンバレーのビリオネアはニュージーランドに退避する
一般的な人々は、数多くの兆候が出てくるまで重い腰を上げようとはしません。
しかし、避難のために海外の広大な土地を購入しても、結局、それを利用せず荒れ野に任せるままにしたとしても、なんら懐が痛まない富裕な人々は、最後の審判の日が、いつやってくるかは問題ではないのです。
思いついたら、半ば遊び感覚ですぐ行動に移すのです。
Bloombergの記事「シリコンバレーのスーパーリッチには終末期の脱出計画がある」(9月5日付)には、注目すべきサジェスチョンがいくつかあります。
Bloombergによれば、過去2年間で7人のシリコンバレー起業家が、テキサス州の会社からサバイバル・バンカー(生存のための高い防護機能を備えた掩体壕)を購入し、ニュージーランドの各地に設置したとのこと。
それぞれのサバイバル・バンカーは、ライジング S社製から購入したバンカーで、小さいタイプで150トンの重量があり、ニュージ─ラントの地下11フィートに埋設されて、「その時」を待っています。
ニュージーランドに設置されるサバイバル・バンカーは半地下で全面核戦争を想定したものではありません。
「天然の殺菌剤、つまり核戦争によるアポカリプスの最初の兆候が出たとき、1%のエリートたちをターゲットにしたフランス革命のときのような民衆の蜂起が始まる前に、シリコンバレーの成功者たちは、民間のチャーター便にひょいと飛び乗って安全な土地に避難するための計画を練っている」と、ライジング S社の役員はインタビューに応えて言います。
つまり、暴動が起こって「99%」の人々のターゲットになるであろう自分たちの身の安全の確保を第一に考えているのです。
1~2つほどの例であれば、好奇心旺盛なIT長者か、反対に病的なまでに心配性のパラノイアに違いないと人々はさして気にも留めないでしょう。
しかし、その数はシリコンバレーの成功者のうち、分かっているだけでも7人もいるのです。富裕層全体なら、この数十倍はいるものと考えられます。
なぜニュージーランドを選んだのか?
問題は、なぜニュージーランドの地下を最終的な避難場所に選んだのかということです。
もちろん、ニュージーランド政府が富裕な人々に邸宅を購入することを許可していることが最大の理由ですが、なんといっても英語圏で政情・経済も安定しており、有数の食料の生産国でもあり、破壊的な事象が起こり得る国々から遠く離れているからです。
ニュージーランドでは、投資家であれば、面倒な手続きを経ることなく投資家ビザひとつで永住型の住居を購入することができるのです。