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ゴールド相場に底打ちの兆し。NY金は1500ドル超えも視野=テクニカルアナリスト・葛城北斗

ここ数年、冴えない値動きが続いていたゴールド(金)は、米利上げ観測の後退もあり、テクニカル的な買い場が近づいている可能性が出てきました。メルマガ『投資日報デイリーリポート』内「第六感の目」より、テクニカルアナリスト・葛城北斗氏の分析をご紹介します。

底打ち後のNY金は初期上昇波動30~40%、1390~1520ドルを想定

ネガティブな米雇用統計により遠のいた年内利上げ観測

10月2日(金)に発表された9月の米雇用統計はネガティブサプライズであった。さらに7月、8月の下方修正も影響し、ドルは一時、円やユーロに対して大幅に下落した。しかし、こういった材料は消化が早いのか、翌週は元に戻した。ただ市場のコンセンサスは年内利上げなしに傾き始めた。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

これに対して金は素直に反応し、その日は37ドル以上の上昇となった。

9月ダブルボトムから上昇傾向の豪ドル

また、前回はドルに対するオージー(豪ドル)の動きを見たが、9月ダブルボトムを付けて上昇傾向にある。

オージーは11年の高値から今年9月まで38%も下落した。リーマンショック時の下落率は39%。ほぼ同程度の下げを演じたが、38%はフィボナッチ訂正に相当。

なお、長期のオージー/ドルを見ると、金と同様、2001年にダブルボトムを打ち、11年に天井を打っている。その後の下げは今年9月まで上昇幅の3分の2訂正までやったわけだが、01年、08年の安値を結んだサポートラインは若干下抜けた。ただ、これは誤差の範囲内。

現在は下抜けたラインに引き戻されているが、先週も述べたように豪ドルが0.8ドル、金が1300ドルを超えてくれば、両市場のボトム打ちを確認することになろう。

新興国通貨の上昇、ドルインデックスの弱さに注目

また、ドルはランドやレアルに対しても天井を打って下げ始めている。これまで米の利上げを懸念して売られてきた新興国通貨がこぞって上昇を開始し始めたようだ。

これら動きはドル指数を見れば顕著に分かる。

ドル指数は3月に100で天井を付けた後、現在は95前後で保合っている。高値圏でトライアングルを作っているが、92を下回れば、フリーフォール状態になる恐れがある。その確認まではまだ時間がかかりそうだが、以上の事はすべて金上昇のトリガーとなる。

オージーやリラ、その他新興国通貨の上昇、ドル指数の下落は金の上昇につながる。特にドルの下落、例えば02年からの急落トレンドまでは想定しないが、09年のようなトレンドは期待できる。この時、ドルは高値から17%下落、一方で金は42%上昇した。

おそらく、金がボトムを打った後の初期上昇波動は30~40%程度は難なく実現するだろう。そのレベルは1390~1520ドル

さて先週から状況が大きく変わったのが、米の利上げ時期である。来年1月以降になるとの見方が大勢を占める中、一部にはQE4の可能性も浮上している。

NYダウは現在戻しているが、11月までに戻り天井を付けた後、次の下げが始まると、その可能性は高まろう。そうなるとNY金は1500ドル超えも視野に入る。

NY金 週足(SBI証券提供)

NY金 週足(SBI証券提供)

目先はオージーを始め、新興国通貨の上昇、ドル指数の下落、NYダウの推移に注視し、金の安値圏をゆっくりと仕込んでいけば良いだろう。

東京金では決済期限のないゴールド100(編注:東京ゴールドスポット100の魅力 – 東京商品取引所)を長期投資目標にゆっくり仕込むのが良い。底を確認すれば、少なくとも3年以上の上昇が見込まれる。

【初出:商品版投資日報 10月9日号「第六感の目」(毎週金曜日掲載)】

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投資日報デイリーリポート』(2015年10月13日号)より一部抜粋
※チャートと太字、編注はMONEY VOICE編集部による

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