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決算シーズン最初の山場は27日(火)。日経平均高寄与度銘柄に注目せよ=山本伸一

気になる日銀追加緩和のゆくえ。麻生財務相は慎重姿勢も市場は期待

仮に今回の日銀会合で追加緩和がなかったとしても、日銀は毎年4月および10月の金融政策決定会合において、先行きの経済・物価見通しや上振れ・下振れ要因を詳しく点検した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を公表することになっています。

事前報道では、2015年度と2016年度の物価見通しを引き下げる方向で検討されていると言われており、GDP成長率も2015年度は従来の+1.7%から1%台前半に引き下げられるとの見通しで、日銀が掲げる2016年前半までの2%インフレ達成時期も後ずれする見込みです。

追加緩和がなかった場合でも、展望レポートから日本の弱い経済指標が確認されれば、政府の補正予算による経済対策だけで乗り切れるのかということから、年内遅くない時期に追加緩和をという声も高まってくると思われます。

米国では利上げの時期を巡っての攻防はありますが、最近の弱い経済指標からは年内利上げは難しいのでは?という声が出ていることも事実。シカゴ・マーカンタイル取引所のFedWatchでは、10月22日段階で10月利上げの予想はわずか5.7%。12月16日のFOMCでの利上げ予想も29.8%と30%を切っています(12月のFFレート0.25の現状維持予想は68.7%)

麻生財務相などは追加緩和に慎重姿勢を崩しておらず、行きすぎた円安は輸入原材料は高騰を招き、輸出量の少ない中小企業については円安メリットがないとも言えます。ただし、11月16日(月)に発表される7月~9月期のGDP速報値が今度は焦点になるでしょう。

GDPのマイナス成長が続くとすれば、日銀の追加緩和圧力が高まっていくことが予想されます。もし今月末に追加緩和が見送られたとしても、来月以降はまた追加緩和期待も出てくるでしょうし、関連銘柄についても決算を見極めた後で、良い業績の銘柄を選別して物色する動きもでてくるのではないでしょうか。

中国・新興国の減速懸念から、機械や鉄鋼、電機の決算には要注意

また、3月期決算企業の中間決算の傾向としては、円安と原油価格など資源安がプラス材料となり、輸出企業を中心に増益基調を確認する傾向になることが予想されます。

これまでに小売業に関しては決算発表が済んでいるものをみても、インバウンド消費の恩恵から好調な決算が記憶に新しいところです。ただ、中国の7~9月期のGDP成長率が6.9%と7%を割り込んでおり、この数字自体は市場予想の6.8%よりも高い数値ではあるものの、中国や新興国経済の減速懸念があることは確かです。これまでは好調を維持していた企業でも、先行きを懸念して通期予想を期初予想に据え置くなど増額を出さない保守的な決算を出す企業も出てくることも予想されます。

もともと会社予想は保守的に出しておく企業が多いなか、これまでの業績の好調さから会社四季報などの市場予想は高めに設定されている企業も多く、株価はこれらの数値を織り込んで上昇してきた経緯もあります。国内でも機械受注や鉱工業生産などの指数は弱く、機械や鉄鋼、中国向けのウェイトが大きい電機などの決算には注意が必要でしょう。4~9月期の上期決算の数値だけでなく、通期予想を据え置くのか、修正するのかなども株価に影響を与えそうです。

今後開示が本格化する決算銘柄の狙い方としては、好決算が期待される銘柄の決算発表日を予め調べておき、先回りして仕込んでおくのが基本方針となります。8月の全体調整とともに株価水準を落としている銘柄も多く、期待通りの決算内容を示せば、再評価も期待できるでしょう。

【関連】炸裂した「ドラギマジック」が日銀の10月緩和観測にあたえる影響

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プロの視点。今、乗るべき銘柄が見えてくる。』2015年10月23日号より一部抜粋
※太字、見出しはMONEY VOICE編集部による

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