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PayPay祭りは成功したのか?クレカ不正利用・アクセス障害と、商店街で見た温度差=岩田昭男

ほんとうのPayPayはこっちだ!

「祭り」は終わると、熱は急速に冷えるものです。4カ月にわたってみることができると思っていた夢が、たった10日間で萎んだのですから、人々の欲求不満はたまっているはずです。

もっと「PayPay祭り」の夢の中にいたかったはずですが、夢から醒めよ、現実に帰れといわれるのですから、醒めなきゃいけなくなります。しかし、このツケは大きいでしょう。いつかとてつもない形でしっぺ返しがあるでしょう。

すでに、PayPayでクレジットカード不正利用が横行していたことが発覚し、大きな問題となっています。

やはり主体は現実です。夢は続かないのです。同じ日に私が体験したPayPayの現実の姿を紹介しましょう。

ビックカメラの祭りをよそに、同時刻のスカイツリーの下では…

実を言えば、12月4日当日、ビックカメラで皆が盛り上がっていた頃に、私はスカイツリーの下の商店街を歩いていました。墨田区の商店街のいくつかがPayPayの実証実験をスタートするという知らせがあったため、こちらに来たのです。
※参考:PayPay、「すみだキャッシュレス実証実験プロジェクト」を開始~墨田区の商店街約300店舗に「PayPay」を導入 – 日本経済新聞(2018年11月29日配信)

しかし、一般的に新たに電子マネーやポイントの導入があるときには商店街でのぼりを立てて盛大なイベントを開催するものですが、今回は出陣式もなければPayPay加盟店ののぼりもありませんでした。

そんな経験はしたことがないので、取材日時を間違えたのかと思いましたが、そうではなかったのです。PayPayはちゃんとスタートしていたのです。それならそれで、家電とコンビニに入れるのと同じくらいの力をこちらにも向けて欲しかったと思います。残念です。

私が押上駅に着いたのが、正午前でした。目指す「おしなり商店街」は大きな街道沿いに店が連なる商店街でした。

PayPyaをダウンロードできずに出鼻をくじかれる

通りを歩きながら加盟店を探すことにしましたが、とにかくPayPayアプリを入れておく必要がありました。キャンペーン中でしたので、500円をただでもらえるという特典がありました。ところが幸先悪く、電波が弱いせいなのか、なかなかダウンロードできないのです。

初日でアプリをダウンロードする人が集中しているからだと後でわかったのですが、いずれにしろ気分は悪かったです。その時は何とか10分ほどでインストールできてアプリを使えるようになったからよかったのですが…。これがすべての始まりでした(※編注:キャンペーンが始まった12月4日のお昼頃、決済が集中したことでPayPayでシステム障害が発生。一時利用できない状態に陥ったほか、PayPayアプリの応答が遅いことから決済手続きを繰り返したことで2重決済が発生するなど混乱が生じました)。

PayPayは「すみだキャッシュレス実証実験プロジェクト」を掲げ、4日墨田区の4つの商店街300店舗で、PayPayを導入しての実証実験を始めると発表していました。同時にアリペイの対応も確認するというものでした。

Next: 加盟店探しに四苦八苦。キャッシュレス化の裾野は広がっていない?

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