わが国の負債
(1)世帯の負債は318兆円(2018年6月末)
世帯の負債は、住宅ローンと自動車ローン、カード、消費者ローンなど318兆円です。住宅ローンは、2018年で193兆円と集計されています(住宅金融支援機構)。1年に21兆円(130万件)くらいが貸し出されています。平均残存期間は約10年です。
日本の世帯の負債は少ない。一方で、世帯の金融資産は、1,848兆円ですから、「1,848兆円-318兆円=1,530兆円」が負債を引いた純金融資産。1世帯当たりでは2,886万円です。
(2)企業部門の負債は1,736兆円
世帯の貯蓄を借りる企業部門の負債は、借入金と証券(株式を含む)で1,736兆円です。
借入金 396兆円
証券 1,031兆円(うち上場株式589兆円)
その他負債 307兆円(買掛金など)
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負債合計 1,736兆円
負債総額は1,736兆円です。ただし企業は金融資産を1,176兆円持っているので、純負債は560兆円(平均2.2億円)と少ない。
前述したように、土地バブル崩壊以降、設備投資を抑えて、キャッシュフロー(=減価償却費+利益-税金-配当)で、借入金の返済をしてきたからです。
国の資金循環では、GDPの成長期の正常な姿は、
・世帯の預金の増加分を、
・企業が銀行から借り、
・設備投資をすることです。
1980年年代までの資金循環がこれでした。
【世帯の預金と国債発行】
1990年代からは、世帯の預金は1年に約40兆円も増えているのに、企業は借り入れをしない。
誰が預金増加を吸収したのか?政府の国債です。政府が国債を発行して預金増加を吸収し、資産バブル崩壊後のGDPが減少する経済への対策としての公共投資を行った。90年代の10年で400兆円の公共投資というおおきなものでした。90年代から、政府の国債の増発が1年に40兆円と大きくなっています。
・1990年代の10年は、公共投資のための国債発行
・2000年代からは、増えた社会保障費(特に年金、医療費)の支払いが主目的の国債発行