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日本政府「緩やかな回復が続いている」は大ウソ、景気悪化のシグナルが続出中=斎藤満

政府は日本の景気について「緩やかな回復が続いている」としています。しかし、7-9月期の鉱工業生産をはじめ、あらゆる景気動向指数に変調の予兆が出ています。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2018年11月9日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

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日本経済は「足踏み」状態へ

政府は日本の景気について「緩やかな回復が続いている」とし、この12月で戦後最長の景気拡大となった「いざなみ景気」に並ぶとみています。

しかし、景気指標にはいくつも変調を見せるものが現れています。すでに7-9月期の鉱工業生産は前期比1.6%の減少となりました。政府は、台風や北海道の大地震など自然災害の影響で、一時的な落ち込みとしています。

しかし、7日に内閣府が発表した9月の「景気動向指数」では、より広い範囲で指標が下降を示し、景気動向指数からみた「基調判断」を前月までの「改善」から、9月は「足踏み」に修正しました。景気は回復局面ではなく、足踏み状態に入っている可能性を示唆していることになります。

あらゆる景気動向指数に変調

景気指標が一時的な要因で変動することはよくあるので、内閣府は「基調判断」をする際、当月分の景気動向指数(一致指数)の変化だけでなく、3か月移動平均、7か月移動平均の値も併せてチェックし、これらも方向転換すると、景気の基調が変わったとの判断をします。

9月は一致指数(CI)が前月比マイナスになったほか、3か月移動平均が3か月連続のマイナスとなり、その下落幅が標準偏差を超えました。これが「足踏み」の規定を満たすようになったのですが、このほか7か月移動平均もマイナスになっています。

足踏みを超えて「悪化」か

なお、「足踏み」の先には「悪化」があり、その判定となると、景気は後退している可能性が高いことを示唆しますが、その要件としては、当月の指数がマイナスのほか、3か月移動平均が3か月以上続けてマイナスとなる必要があります。実は9月の時点でこれはすでに満たしています

従って、景気はすでに後退局面に入っている可能性を示唆しているのですが、内閣府の景気判断のルールには、「足踏み」から「悪化」に進むためには、一旦「下方への局面変化」というステップを経る必要があり、その条件として、当月の指標がマイナスのほか、7か月移動平均もマイナスになり、そのマイナス幅が3か月累積で1標準偏差(0.86)を超える、との規定があります。

9月は7か月移動平均もマイナスになっていますが、まだその減少幅が0.86を超えていないので「足踏み」との判断にとどまっています。今後この数値の下げ幅いかんで、「下方への局面変化」「悪化」となって、景気後退入りとなる一歩手前まで来ています。少なくとも「緩やかな回復」が続いているとは言えなくなっています

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