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日本政府「緩やかな回復が続いている」は大ウソ、景気悪化のシグナルが続出中=斎藤満

先行指数にも「景気後退」の兆候

では先行きはどうなるのか。政府は自然災害などの影響による一時的悪化と見ているので、今後の指標は回復拡大を示すと期待されています。

しかし、景気動向指数では、「先行指数」もマイナスになっていて、今後も景気が下向きとなる可能性を示唆しています。在庫の積み上がりが、今後の生産を抑制するなどの「予兆」が現れています。

そして指標に表れない「先行指標」も先行きの悪化を示唆するものが少なくありません。その最たるものとして、年明けには日米通商交渉が本格化します。

日中接近をけん制する米国

今週、ペンス副大統領が来日して、安倍総理・麻生副総理と個別に会談を予定しており、日本の中国接近問題とともに、通商問題についても取り上げられると見られます。

ペンス副大統領はトランプ大統領以上に中国に対しては厳しい姿勢を見せ、習近平国家主席とも火花を散らしています。安倍総理が先般、日本の財界人を大量に引き連れて北京を訪れたことに、ペンス副大統領は不快感を持っていて、日本からハイテク技術などが中国の産業界にリークされることを危惧しているでしょう。今回の訪日では、日本の対中国接近をけん制すると見られています。

日本の産業界が窮地に立たされる

日本の産業界は、国内市場の閉そく感、米国との貿易摩擦もあって、中国が進める「一帯一路」に大きなビジネス・チャンスありと見ています。そしてこれに参画し、活路を見出したい企業が少なくありません。

これを経済安全保障の観点からペンス副大統領に否定されると、大きな商機を失うことになります。

すでに米国とメキシコ、カナダとの個別交渉がなされ、両国で現地生産する日本企業にとってはそこから米国へ輸出することが難しくなっています。

そのうえ、自動車業界を中心に、来年は米国向けの輸出が何らかの形で制限されるリスクがあり、米国市場で大きな利益を上げてきた日本の自動車業界には大きな不安材料になっています。

Next: 「為替条項」も飲まされる? 日本の先行きに暗雲が立ち込める…

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