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不正だけじゃない「勤労統計」2つの欠陥、政府が思うよりずっと私たちの賃金は減っている=児島康孝

1990年頃は、賃金横ばいで金融引き締めせず

逆のケースとして、採用が大幅に増加している状況では、実質賃金が上がっていなくても、景気が良くて、マネーの流動性が増している場合があります。

実際、1990年のバブルの頃は、金融引き締めが必要な中で、「賃金が上昇していない」という話が日銀からなされていました。

つまり、賃金が上昇していないので、「金融引き締めの必要はない」という話であったのですが、これはいまの日本と逆のパターンです。

数字の例で話しますと、年収500万円の会社で500人が働いていたところに、今まで平均年収300万円だった人が500人採用された場合。これで年収500万円の人が1,000人になりました。

しかし、この会社の平均年収は、500万円のままです。この会社では、まったく賃金は上昇していません。しかし実態は、年収が200万円もアップした人が500人いるということです。

こうして年収がアップすると、コンビニで使うお金や、外食・昼食の費用も増えてきます。そして内需が良くなり、景気も良くなるということです。

いまの日本は、このバブルの頃とまったく逆です。年収が減った人が多くて、外食・昼食費も減り、先日の当メルマガでもお伝えしましたが、とうとう、デフレ業態の中でも「高め」のところの集客が厳しくなってきているのです。

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国会議員が実感するには…

こうした側面を国会議員にも実感してもらうには、議員定数を半分にしたケースで考えてもらえば良いでしょう。

例えば、定数を現状の100から半分の50にして、議員報酬は同じレベルにする。そうなっても、平均の議員報酬は「いまと同じまま」です。

報酬は悪くなっていないですね!という主張ができるわけですが、国会を去った半分の50人の元議員は、生活に困窮するケースも出てくるでしょう。

これで、「報酬はこれまでと同じです」という主張ができるのかどうか、ということです。

Next: 戦後最長の好景気どころか、戦後最悪の不況が長く続いているだけ

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