fbpx

本家ウォルト・ディズニーは、21世紀フォックスを買収してメディア戦争に勝てるのか?=栫井駿介

最後に鍵を握るのは「コンテンツ」

既存メディア対新興メディアの対立軸で見られがちですが、その本質はコンテンツの充実にあると考えます。

ネットフリックスは、既存メディアから一気に視聴者を奪うために、コンテンツ制作に多額の資金を投じています。この流れは当面収まらないでしょう。

一方のディズニーは、ミッキーマウスや様々なディズニーキャラクターなどのコンテンツを既に有しています。この優位性は簡単に揺らぐものではありません。出せば一定のヒットが想定できますから、費用対効果は絶大です。

ディズニーが生み出す莫大な収益を、映画やリゾートのコンテンツ強化や中国を中心とする海外展開に振り向けることで、継続的な拡大が想定されます。なお、海外での収益はまだ2~3割程度にすぎません。

エンターテイメントは市場に終わりはなく、地理的にも拡大しやすい世界です。世界が豊かで平和になればなるほど需要が高まる、幸せな産業と言うことができます。

懸念点は、新興勢力が価格競争を仕掛けてくることですが、莫大なコンテンツ制作費用を考えると、あまり値下げできる状況でもないでしょう。無理に下げたとしても、ディズニーのコンテンツを値下げする必要性はあまり感じられません

もっとも、買収によりディズニーの比率が薄まると、ディズニー以外の部分で価格競争に巻き込まれてしまう可能性があります。多様となるコンテンツをどのように管理していくか、経営手腕が問われるところです。

インターネットの登場で波乱含みではありますが、盤石の「経済の堀」があり、景気耐性も強く、今後も拡大が期待できる企業です。購入のタイミングを窺ってみるのも悪くないように思えます。


つばめ投資顧問では、株式投資による資産増加にとことん付き合うプロジェクト「スノーボール計画」を実施しています。ゆっくり幸せなお金持ちになる!「スノーボール計画」にあなたも参加しませんか?

※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取扱いには十分留意してください。

【関連】見えてきたトランプ政権の崩壊シナリオ、米朝再会談の成果をどう演出するか?=江守哲

【関連】危なすぎるZOZOのブランドマネジメント、前澤社長の発言が最大の経営リスクに=今市太郎

【関連】「PayPay祭」第2弾は盛り上がらない?少額小分けで「100億円キャンペーン」は成功するか=岩田昭男

image by: wonrin / Shutterstock.com

1 2

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年2月7日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問

[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー