リスクを承知で雇うしかない現実
では、給与など待遇を改善すれば高品質の人材が来るかというと、ほとんどの企業・店舗にそこまでの余裕はないでしょう。
待遇アップの分を価格に転嫁できればよいですが、それで来客数が落ち込めば本末転倒ですから、それも難しい。
もちろん、接客の仕事が好きだとか、料理が得意などといった理由で積極的に外食を選ぶ人もいますが、そういう志がなく「なんの専門性も経験もなくても手軽に働けてサクッと稼げる」という理由で選ぶ人も少なくないでしょう。
それにいまは、働く側も「辞めても別のところで働けばいい」という気楽さがあるように感じます。
そしてオーナーや店長サイドも、「シフトに融通がきくから、まあいっか…」などと妥協して採用しがちです。これは私自身も経験したことです。
そこで、もし私が店長ならどうするか…という視点で、バイトテロの防止策を考えてみました。
バイトテロ防止策その1:シニア男性の積極登用
事件を起こす人の多くは若者男性ですから、そうではない人に代われるのがシニア男性です。
日中は主婦に活躍してもらえても、夕方以降は子どもがいるなどで難しい。深夜帯に女性は勤務させられない。ゆえに体力がある若者男性が重宝されるということになりやすい。
しかしシニア層の男性でたとえば深夜の警備員などをしている人がいるのを見ると、まだまだ元気な高齢者もいるのでしょう。それに彼らのSNS利用はたいてい孫など家族だけだったりしますから。
そこで彼らに選んでもらえるよう、時給の割り増しや自社商品の社内割引の拡充など、シニア男性に応募をしてもらえる制度を作って訴求する(私自身、貧乏な学生時代、食費を浮かせるために賄い付きの飲食店を選んでアルバイトしていました)。
バイトテロ防止策その2:シフトリーダーの育成
正社員など大人の目があれば、ふざけた行為はできないですが、かといってずっとそういう人を張り付けておくのはシフト的にも難しい。
営業時間がそれほど長くないオーナー店舗であれば可能でも、早朝深夜も営業するチェーン店には無理でしょう。
そこで、すでに取り入れているであろう会社・店舗も多いシフトリーダー制の導入です。有能な人材をシフトリーダーとして待遇を上げ、そのシフトを責任をもって運営してもらえるように動機づけをする。働きによってボーナスなどを出すのもアリです。