賃金上昇、消費拡大、インフレへの好循環へ
企業は借りたお金で積極的に設備投資などを行いますので、波及的に他の企業の売り上げも増え、時間の経過とともにやがて賃金の上昇⇒消費の拡大⇒インフレへの好循環が始まるかもしれません。
もっともこれは分かりやすく説明するための極端なお話で、実際には住宅ローンがマイナス金利になるほど、日銀はマイナス金利貸し出しを深堀りするとは思えません。
私たちにとって、せいぜい住宅ローンの利息が今より少なくなる程度にとどめることでしょう。
それでもそのインパクトは無視できません、わずか零点数パーセントの金利低下でも、総支払額は数百万円の単位で節約できる可能性がありますので。
住宅ローンだけではなく、民間銀行から企業に対する融資の金利も下がりますので、社会全体でみるとその効果は絶大です。
日銀はあらゆる市場にマネーを供給する元締めですから、その蛇口部分でマイナス金利を適用すれば、上記のように緩やかなインフレへの誘導に成功するかもしれません。
上記は最近ささやかれ始めた「日銀のマイナス金利貸出」の基本的な考え方です。
日銀はすでにバランスシートを拡大しつくしていますし、民間銀行からの受け入れ預金(「日銀当座預金」)に対し、一部マイナス金利を適用しています。
注)これは先ほどの「マイナス金利貸し出し」ではなく、逆に日銀が借りる側になる場合の金利です。
景気の後退懸念から、アメリカ(FRB)とヨーロッパ(ECB)は、再度量的緩和や利下げにむけて舵を切り始めましたが、日銀はすでに政策を総動員しており、従来の量的緩和と低金利政策をこれ以上拡大することは困難かつ危険でもあります。
ですから今回お話しした「マイナス金利貸し出し」は、日銀にとって、選択肢になる可能性はあると思います。
ただしその影響の大きさから考えて、もし実行に移すなら、よほど慎重に事を運ぶ必要があるでしょう。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2019年4月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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