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トランプに踊らされ続ける金正恩、ロシアにすり寄った北朝鮮の末路とは?=江守哲

実質的な進展はなかった

一方、金委員長はプーチン大統領に、適切な時期の訪朝を招請し、プーチン大統領もこれを受け入れたようです。

プーチン大統領によると、会談では朝鮮半島の非核化や制裁、米国について話し合ったようです。

プーチン大統領は「会談の成果に満足している」とした上で、「核プログラムを廃棄するためには、北朝鮮が国際的な安全の保証を必要としている」としました。

さらに、「こうした保証が機能するには、日本を含め核問題に関する6カ国協議の参加国による多国間の枠組みの中で提供される必要があり、米国だけの保証では不十分」との考えを示しています。

プーチン大統領は「北朝鮮に必要なのは安全の保証だけであり、われわれは一丸となって考えなければならない。こうした安全の保証は国際的な枠組みでなければ成り立たず、2国間合意では不十分だ」と繰り返しています。

北朝鮮の核問題を話し合う6カ国協議にはロシア、中国、日本、米国、韓国、北朝鮮が参加し、この枠組みの中で、北朝鮮に対する保証を国際的なものでかつ法的拘束力を持たせ、北朝鮮の主権を保証するものである必要があるとしています。

プーチン氏と金委員長の初会談では実質的な進展はなかったようですが、両氏は相互に好意的な印象を受けたもようです。

ロシアが味方に付けば北朝鮮は安泰?

数人の側近のみを交えた会談は予定されていた50分の倍に延長されるなど、かなりの時間を割いて具体的な話に踏み込んだ可能性も指摘されています。

プーチン大統領は金委員長について「非常にオープンで、思慮があり、興味深い」と評しています。

金委員長は、朝鮮半島の問題は世界の関心事と述べるにとどめましたが、腹の中はかなり満足したのではないかと考えられます。

ロシアという新たな後ろ盾を得ることができれば、中国が倒れても大丈夫です。これは、金委員長にとってはかなり大きな材料になってきます。

米朝首脳会談が暗礁に乗り上げる中、北朝鮮にとっては今回の会談は隣国ロシアとの関係改善に向けた好機となっといえますし、ロシアにとっても国際舞台で重要な役割を果たすという立場を示す格好の舞台になったといえるでしょう。

今回の会談は、まさに両国にとって中身の濃いものになったと評価することができるでしょう。

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