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黒田日銀の「補完措置」で株価乱高下、市場センチメント変化に警戒を=久保田博幸

なぜ、このタイミングで?黒田日銀の狙いは

日銀としてはあくまで追加緩和でなく、異次元緩和の補完としたのは、追加緩和の逐次投入というかたちではないということを示すためなのか。

そもそもマネタリーベースの目標値を大きく上げることは難しいために、追加緩和ではないがその効果を市場に与えようとしたのか。

そうであれば、このタイミングは米利上げ決定を意識したものとも言える。しかし、政府などはこれ以上の円安に関しては望んでおらず、ここで日銀が動く理由が見当たらない。

強いて言えば何もできないだろうと高をくくられていたところに、微調整ながら政策を打ち出すことでサプライズを狙ったのか。

センチメントに変化~市場に「見透かされる」恐れも

しかし、結果としては仮に追加緩和のような効果を狙ったとして、このような手段を講じるしかないことを市場に見透かされてしまうことにもなりかねない。

12月3日のECB理事会の追加緩和を受けて、市場が物足りないとの理由で負の反応をしてしまったような事態にもなりかねない。

FRBの利上げもあり、市場のセンチメントは変化している。

追加緩和、もしくはそれに準ずるものに市場が素直に反応するような地合ではなくなっていることにも注意すべきかと思う。

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牛さん熊さんの本日の債券』2015年12月18日号より
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