「利益を出さない企業」がついに利益を出した!
ところが、これらの指標があまり意味を持たない場合もあります。例えば、成長企業は現時点での利益が少なく、PERは高くなります。しかし、将来大きく利益が伸びるなら、多少PERが高かったとしても割高とは言えない場合があるのです。
アマゾンもこのような考え方で捉えることができます。同社は巨大でありながら「利益を出さない企業」として有名だからです。
しかしながら、最近は少しずつ利益を出すようになってきました。2018年の営業利益は2017年の3倍になっています。
これには、世界最大シェアを誇るクラウドサービス「AWS」が貢献しているのは間違いありません。
クラウドは、企業が一度導入してしまえば切り替えることが難しく(スイッチングコストが高く)、経済の堀が深いと言えます。事業の変動費も小さく、限界利益の大きなビジネスです。
デジタルの世界はデファクトスタンダードを取ることが競争を勝ち抜く要件ですから、クラウド事業の圧倒的なシェアは、バフェットにとって魅力的に映ったのかもしれません。
例えば、AWSの拡大でトータルの利益がさらに3倍に伸びれば、現在65倍のPERも22倍となり、決して割高ではないと見ることができます。成長企業の価値を見る時にはこのような観点も必要です。