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電力自由化にも新規参入、株主総会から考えるソフトバンクの未来=平林亮子

ソフトバンクGの業績メモ(百万円未満切捨)

ソフトバンクGの2015年3月期の業績は以下の通り。

売上高8,670,221百万円(8兆6,702億2,100万円、前期30.1%増)
営業利益982,703百万円(9,827億300万円、前期8.8%減)
当期純利益763,682百万円(7,636億8,200万円、前期32.1%増)
総資産21,034,169百万円(21兆341億6,900万円)
資本合計3,853,177百万円(3兆8,531億7,700万円)
自己資本比率約18.3%
執筆時点での時価総額 約7兆3,708億円

<参考>
2015年12月30日時点での日本企業の時価総額ランキング(単位:円)
1位:トヨタ 24,994,925,220,096
2位:三菱UFJ 10,727,239,227,122
3位:NTTドコモ 10,149,057,648,000
4位:NTT 10,138,163,656,920
5位:JT 8,942,000,000,000
6位:KDDI 8,487,069,583,200
7位:日本郵政 8,392,500,000,000
8位:ゆうちょ銀 7,875,000,000,000
9位:ソフトバンク 7,370,853,980,735
10位:ホンダ 7,082,685,161,300

ソフトバンクGのキャッシュフローから妄想できること

営業活動によるキャッシュフロー 1,155,174百万円
投資活動によるキャッシュフロー △1,667,271百万円
財務活動によるキャッシュフロー 1,719,923百万円

キャッシュフローから妄想できることは、

  • 営業活動によるキャッシュフローがプラスであることから、本業ビジネスでお金を稼いでいる
  • 投資活動によるキャッシュフローがマイナス(△)であることから、投資をしたと推測できる
  • 財務活動によるキャッシュフローがプラスであることから、新たな借り入れによる収入があったと推測できる

といったところでしょうか。

なお、ソフトバンクGはIFRS(国際会計基準)適用企業。そのため、決算書上経常利益は計算されることはなく、純資産ではなく資本合計となります。IFRSの適用は、世界的な展開を視野に入れ、外国企業にM&Aを仕掛けていくために必要な選択だったのではないかと推測します。

ところで、ソフトバンクは、M&A資金を借り入れにより調達することが多いと記憶しています。その際、LOB(レバレッジドバイアウト)という手法を使っているものと思います。

LOBとは、買収相手先の資産を担保として借入れを行い、その資金を使って買収先の株式を購入することで、自分達よりも大きな企業を買収することも可能となりますが、返済資金を稼ぎ出すことができなければ返済不能に陥りがちな危険な借り入れになりかねない、とも言えます。

この点、ソフトバンクのこれまでのM&Aの投資利回りは、IRR43%なのだそうで、しっかり稼いで返済を進めているのだと推測できます。IRRとは、内部収益率(ないぶしゅうえきりつ、Internal Rate of Return)のことで、投資額を複利何%相当で運用できたことになるのか、を意味する数値。

これを実現できるとは、企業を見る目があるのだということ。強気の借り入れと驚異的な投資効率。ソフトバンクのM&Aのレベルは高過ぎて怖いです。

今回のお土産

ソフトバンクの株主総会招集通知にはお土産なしと記載されておりましが、実際にはどうだったのでしょうか。もちろん、私はお土産があってもなくても、2016年も色々な企業の株主総会に顔を出す予定です。

さて、次回はどこの株主総会に行くことになるのやら。乞うご期待!

【関連】体育会系なムードが面白い!ビックカメラの株主総会に行ってきた=平林亮子

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『平林亮子の晴れ時々株主総会』vol.32(2016年1月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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平林亮子の晴れ時々株主総会

[月額324円(税込) 毎月 第1月曜日・第3月曜日]
ベンチャー企業のコンサルティングを行うかたわら、講演活動やマスコミなどでも活躍。毎月どこかの上場企業の株主総会に個人株主として参加中。

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