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582円安の日経平均に追い打ち?「大発会翌日は10年全敗」のアノマリー=櫻井英明

「兜町カタリスト」』櫻井英明さんのアノマリーシリーズ。今回は「大発会の翌営業日は負けの特異日」をはじめ、市場において明確な根拠はないものの良く当たるとされる経験則の数々をご紹介します。日経平均株価はまだ下げ止まらず?

大発会の翌営業日は過去10年0勝10敗の「負けの特異日」だった

大発会の日経平均は-582.73円安、上海市場下落も重荷に

ガーンときた大発会前場の約500円安。
(編注:大発会の日経平均株価終値は582.73円安の18,450.98円となった)

中国の景気指標を山車にしての円高が売りを誘因した格好。だからといって根本的に相場が悪化した訳でもなかろう。

相場は欲望の戦いの場。そこを忘れてきれいな善人面では当然はじかれる場所。

相場がきれいではあって欲しいものの、相場は汚れちまった悲しみに今日も小雪の降りかかる場所。これは意図的でも何でもなくて当たり前のこと。

だからと言って、きれいごとの世界でも当然ない場所。それこそ「赤ずきんちゃん気をつけて」の世界。でもいつかは「さよなら怪傑黒ずきん」が登場するに違いない。下げれば弱気、上げれば強気だけではやっていけない場所でもある。

日経平均株価 5分足(SBI証券提供)

日経平均株価 5分足(SBI証券提供)

上海総合指数 5分足(SBI証券提供)

上海総合指数 5分足(SBI証券提供)

米ドル/円 5分足(SBI証券提供)

米ドル/円 5分足(SBI証券提供)

「丙申」の年。1949年以降騰落率はプラス10.4%(十二支では7番目のパフォーマンス)。必ず夏季五輪と米大統領選挙と日本の参院選挙が重なる年回り。イベントには事欠かない。申酉騒ぎは現実化するのかも知れない。

新春は地政学リスクが顕在化しやすい年。いきなり登場したのはサウジアラビアとイランとの外交関係断絶。オバマ米大統領は「地域の指導者に対し緊張緩和に向けて積極的に取り組むよう今後も要請していく」とコメント。原油先物価格はバレル38ドル台まで反発した。しかし中東の原油という話題ではこの行方は結構気になる。まあ「シーア」も「スンニ」もなかなか理解しがたいものだが…。

もうひとつはスペインのカタルーニャ自治州の動向。独立賛成派の新政権樹立がとん挫し3月にも州議会の解散・再選挙が実施される可能性が強まった。

そしてロシアのルーブルの安値。背景は原油価格の下落という。とはいえ、昨年はウクライナ問題で騒いだが…。年初の地政学的要因はしばらくすると忘れ去られることが多いというのが市場の法則でもある。

気になる年末年始のアノマリーは?

アノマリーを探してみると…。大納会の終値から大発会の初値は7勝4敗(騰落率平均プラス0.48%)。大納会の終値から大発会の終値までは8勝3敗(騰落率平均プラス0.4%)。勝率は高いが、今年はどうもマイナスになりそうな気配。

もっとも昨年は前年末の終値→初値、終値→終値もマイナス。それでも年間では上昇だった。

もうひとつは大発会の初値がプラスだと終値にかけて更に上昇するというアノマリー。騰落率平均はプラス0.42%。そして年初5日間が高ければ1月は高い→1月が高ければその年は高い

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

一方で大発会の翌営業日は過去10年0勝10敗の「負けの特異日」。因みに11年連続で大発会翌日は下げ。これも外れて欲しいところだが…。

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「兜町カタリスト」』(2016年1月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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