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株価2万円回復からの衆参ダブル選挙をもくろむ安倍政権「4つの盲点」

2. 政府債務が膨らみ政策手段に限界

次に、政策手段に限界が見えてきたことです。政府債務がGDPの240%になりプライマリー・バランスの均衡が見えない中で、政府は補正予算の編成にも苦しんでいます。

15年度の税収上振れ分や利払い費などの浮いた分を原資に3.3兆円程度の補正を組むのがやっとで、これでも「増収分をみな使ってしまう」との批判を浴びています。

また金融政策は、先のQQE補完策が不評を買い、却って株価を下げてしまったトラウマが日銀に広がっています。補完策の提示は結果として資産買い入れの限界を認識させるもので、これで次の追加緩和余地ができたとしても、市場に金融政策の限界、行き詰まりを意識させてしまった分、これまでのような円安、株価上昇の「ミラクル」は期待薄となりました。

3. 「前代未聞のタイミング」米利上げの悪影響

次に、米国の利上げが曲者です。そもそも、製造業ISMが50を割り込み、製造部門での景気縮小のなかで利上げに出たこと自体が前代未聞ですが、次回3月も、世界市場に不透明感があっても、新保守派の圧力もあってFRBは追加利上げに出ると見られます。新興国や中国には負担になり、米国のジャンク債、エネルギー部門にも負担となります。

4. 中国や新興国における金融不安の高まり

その影響で、前号でも紹介したように、新興国の過剰債務問題が契機となって、金融不安が生じ、これが先進国の投資家にも波及します。中国やアジア新興国への依存度が高い日本経済は当然この影響を受けます。金融危機が広がればリスク・オフとなって円高、株安にもなります。

官邸は株価を放置し消費税引き上げの再延期を打ち出すことに?

そうなると安倍政権はダブル選挙をあきらめ、消費税の再引き上げも難しくなります。もともと消費税に後ろ向きな総理官邸は、今度は株価下落を放置して、経済危機をたてにして消費税引き上げの再延期を打ち出すのではないかと見ます。

軽減税率適用で1兆円余りの財源が必要ですが、未だに手当てをしないのは、再延期を考えての事と見られます。

夏の選挙は野党の体制が整わないなかで、与党楽勝のムードがありますが、官邸は慎重で、大阪維新の橋下グループから何人採れるのか、必要なら民主党を分断して、前原グループも取り入れ、憲法改正への体制作りを着々と進めることになると見られます。

【関連】2016年、安倍総理「2つの選択」~消費増税凍結と衆参W選挙の可能性=落合陽平

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マンさんの経済あらかると』(2016年1月4日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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金融・為替市場で40年近いエコノミスト経歴を持つ著者が、日々経済問題と取り組んでいる方々のために、ホットな話題を「あらかると」の形でとりあげます。新聞やTVが取り上げない裏話にもご期待ください。

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