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米中会談、本当に成功か?譲歩しすぎたトランプの「どんでん返し」で世界経済は谷底へ=近藤駿介

突然の米朝首脳会談にややかすんだが、米中首脳会談の結果は株式市場にとって現時点で期待できる最高の結果となった。しかし、まだ2つのリスクが残っている。(『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』近藤駿介)

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プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。著書に、平成バブル崩壊のメカニズムを分析した『1989年12月29日、日経平均3万8915円』(河出書房新社)など。

貿易戦争回避&金融緩和期待と結果は最高も、リスクまだ2つある

米中首脳会談、最高の結果に

突然の板門店での米朝首脳会談によってややかすんでしまったが、世界中の注目を集めた米中首脳会談の結果は、株式市場にとって現時点で期待できる最高の結果となった。

米国のトランプ大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は29日に大阪市内で会談し、5月から途絶えている貿易協議の再開で合意した。米国は3千億ドル(約33兆円)分の中国製品への追加関税を先送りする。米企業による中国の情報通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への部品販売も認める方針に転じた。

出典:米中、貿易協議を再開へ 首脳会談で合意 – 日本経済新聞(2019年6月29日配信)

トランプは譲歩しすぎ?

ただ、「最高のディールメーカー」と公言するトランプ大統領が行ったディールにしては、見返りが小さいのではなかろうか。

今回、追加関税の先送りと、ファーウェイの米国企業との取引解禁という大きなカードを切った。

そして得られた見返りが、農産品の輸入拡大と、石油・鉱山・都市ガスパイプラインなど幅広い分野で外資アクセス規制の緩和というのは、小さ過ぎて見合わない結果だったといえる。

トランプ大統領が急遽板門店で金正恩総書記との会談をセットしたのも、米中協議で思うような成果を得られなかったからだと想像される。

Next: 依然として残る2つのリスク。パウエルFRB議長も結果に安心したはずだが…

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