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ミニストップ、193店閉店で経営悪化が止まらない。もう取り返せない4つのしくじり=栫井駿介

資本が動けば投資家として興味深い

もはやミニストップの経営悪化を食い止る策はほとんどないように思えます。

鍵を握るのは、47%の株式を持つイオンの動向です。このまま赤字を垂れ流すようでは、連結対象子会社として放っておけないでしょう。

考えられる方向性は以下です。

  • 他社へ売却
  • 「ミニイオン」として生まれ変わる

上述のように、コンビニチェーンの大手3社への集約は待ったなしの状況です。どこかに吸収されれば、フランチャイズの加盟店も何とかやっていけるでしょう。

かつてローソンとの協議は物別れに終わったようですが、イオンは再び三菱商事に頭を下げてローソンにミニストップを引き取ってもらわないといけないかもしれません。

ローソンとしても、ファミリーマートに店舗数で抜かれた今、ミニストップを統合できれば再び追いつくことができます。ローソンも利益が減少傾向にあり、テコ入れ策として可能性があります。

もう一つは、業態転換です。イオンがどうしても機能としてコンビニを手放したくないのであれば、店舗はそのままに小型スーパーとしてミニストップを活用する手もあります。

スーパーとして全商品を低価格にするなら、従来のコンビニとは違った客層が呼び込めるかもしれません。イオンと同じ商品を置くなら、利益も出すことができるでしょう。利便性が高いため、本家より少し値段を上げられる可能性があります。

投資家としては、この再編を投資アイデアに活かせます。前者なら他社によるイオン保有分以外の株式買い付け、後者ならイオンによる買い付けが期待できます。その場合はプレミアム付きで買い取ってもらえる可能性があるのです。

ミニストップ<9946> 日足(SBI証券提供)

ミニストップ<9946> 日足(SBI証券提供)

株価が下がり続ける今から持つことは決しておすすめできませんが、株価が下げ止まり、周囲が騒がしくなってくれば面白くなります。投資家としてそのような視点で見ると、今後の展開が楽しみです。


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image by:Morumotto / Shutterstock.com

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年7月16日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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