日本古来のテクニカル分析「酒田五法」に見られるような法則は、どういう心理状態で形成されるのかを検証。今回買いサイン、「三川」をご紹介します。(『資産運用のブティック街』清水洋介)
大和証券、外資証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト「チャートの先生」としてテレビ・雑誌等に登場し、また、現役ディーラーとしても日々相場と対峙する。 講演を行う一方、2014年5月に株式スクールを開校するなど投資に関して幅広い分野で活躍。著書:ローソク足と酒田五法(パンローリング)など多数。
下落したものの、気迷いして上昇に転じるパターン
酒田五法(その4):三川(大底)ー「川ができれば上昇する!?」
前回は「三川」の中でも、「三川『宵』の明星」と言われるように「天井」を形成するものを検証してみました。今回は反対に「三川『明け』の明星」と言われるような「底」を示すものを検証してみたいと思います。
以下の図をご覧ください。
図1.の上段は日経ジャスダック平均の動きです。赤い丸をつけたところが今年5月の安値水準です。その直前の青い矢印で示した安値を割り込んで、「どこまで下がるのだろう」と考えているうちに「三川」となり、底入れとなったのです。「三川」となる際にも大きな陰線と曲線で「毛抜き底」のような格好となり、最後の大きな陽線、しかも陰線の高値を抜けるような大きな陽線となったことで、底入れ、となったのです。
因みに赤い矢印で示したところも「三川」となり、みごとに「逆三山(三尊)底」の形成となったのです。また、青い丸で囲んだ高値は前回検証した「三川宵の流れ星」と言うような形となっており、典型的な天井をつけるパターンとなっています。
図1.の下段はニューヨーク市場のダウ平均のチャートです。「酒田五法」と言う日本で発明(?)された理論でも立派に外国でも通用すると言う典型的な例です。
大きな下ヒゲ線(たくり足)を伴い典型的な底をつけるパターンです。まだ戻りきっていないので、「底」と言い切れないようなところもありますが、いったんは反発となっているので、「底」と考えていいものと思います。
このように海外の指数でも日本発の理論が通用すると言うことは、「相場」に携わる人間の心理は世界中、どんな相場でも変わりがない、ということに他ならないのです。ですから、図2.に示したように、どのような心理で投資家が動いているときに「三川」となるのかを考えることが重要なのです。
「三川」ばかりではなく、「チャート」を分析することはその時の「相場心理」を分析することに他ならない、ということなのです。
(※ご注意:投資判断はご自身で行ってくださるようお願いいたします。当講座は投資判断力を強化することを目的とした講座で投資推奨をするものではありません。当講座を基に行った投資の結果について筆者及びインテリジェント・インフォメーション・サービスは責任を負いません)
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『資産運用のブティック街』(2019年9月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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