誰が費用を負担するのか
現実問題として準備が大変です。
あと1ヶ月もすれば雪が降ります。マラソンや競歩のコース計測はできなくなります。
選手輸送や宿泊、警備、会場設営などで経費の大幅増加が見込まれますが、組織委員会としては「こちら持ちとなったら切ない。IOCに持ってもらいたいと伝えた」とし、コーツ氏は「よく精査する」と回答したとのことです。
持久走競技会場変更は「鶴の一声」で決まった新たな出費です。
小池百合子知事は、東京都が支払うことを嫌うでしょう。当然「国が持つと事務総長が言っていた」となるでしょうし、組織委員会としても森会長は「IOCに持ってもらいたい」となるでしょう。
国の態度と言えば、「東京都と大会組織委員会が責任を持ってするもの」との菅官房長官の発言です。
いずれにしても、私たちの税金が使われることには変わりがありません。
「安上がりの」五輪はどこへ?
たしか東京五輪は、すべての競技会場等が近く、現存施設を有効活用する「コンパクト」を強調した「安上がりの」五輪を標榜していませんでしたっけ。
東京五輪の費用が膨大に膨らんだことに関しては、当メルマガでも取り上げました。
2018年10月19日(334号)「東京五輪・パラリンピックに関する会計監査報告から大会運営まで」で、全体支出が、当初の7000億円から、3兆円まで膨れ上がることを指摘しました。
まぁお金に関しては「めちゃくちゃ」です。民間企業だったら担当者クビだけでは済まされないことになりますね。
今回のことのお金の話は、しっかりとチェックしておきましょうね。
東京五輪誘致での「嘘」
「この時期の天候は晴れる日が多く、かつつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」……これは東京五輪誘致における、組織委員会のプレゼンテーションの一部です。
「温暖」と「猛暑」は、全然意味が違いますね。
このことは2018年10月の情報誌でも指摘したものですが、先日、テレビでもこのような指摘がありました。
17日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」での、コメンテーターで出演の同局・玉川徹氏の発言です。
「なんでこんな事態になったのか、原点は何かと考えると、2013年の招致委員会の時の立候補ファイルというのがあるんです」と指摘。
同ファイルの「理想的な日程」の項目を読み上げ「『この時季の天候は晴れる日が多く、かつ温暖である。アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である』と書かれている。これを世界に訴えて東京に招致したんです」と話しました。
まったくの同意見です。
「嘘」をついてまでも(誰が見ても嘘だとわかることなので嘘にはならないのでしょうが)誘致した五輪、まあ最初からわかっていたことで、「いまさら」感がそこにあるのでしょう。