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日本に決定権がない東京五輪。段取り良すぎのマラソン札幌開催、その舞台裏とは=原彰宏

IOC会長の「鶴の一声」で決まる

IOC会長の権力は絶大です。すべてのことを決めるのはIOCです。

IOCは、開催国である日本に、ある程度の権限を「付与」しているだけなのです。

マラソンと競歩は、今月まで中東カタールのドーハで開かれた世界選手権で、気温が40度を超える日中を避け、スタートを午後11時半すぎに設定して行われました。

それにもかかわらず、女子マラソンでは68人のうち完走したのは40人で、4割を超える選手が途中棄権したことから、猛暑の中で競技が行われることに選手や関係者から不安の声があがっていました。男子50キロ競歩でも出場46選手のうち、14人がゴールにたどりつけなかった(失格者を除く)とのことです。

「二度とこういうレースは走らせたくない」……女子マラソンに所属選手を送り出した天満屋の武冨豊監督の言葉です。

アスリート・ファースト(選手第一)……IOCが掲げるスローガンで、トーマス・バッハ会長は変更検討について「マラソンと競歩の開催地を移す新たな提案は、我々がどれほど深刻な懸念を持っているかの表れだ」とのコメントを出したとあります。

しかし、「最初から想像できた事態」「なにをいまさら」……そんな思いを抱いている人は多いことでしょう。競歩は皇居外苑を周回するコースで日陰がまったくないわけで、コース見直しを要望する声も上がっているほどです。

日本開催の会場選定に、海の向こうのIOCが決定するという強権です。日本の組織委員会が決めるのではないのですね。

このことに関しての報道も、

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は17日、ドーハで2020年東京五輪のマラソンと競歩の会場について「IOC理事会と大会組織委員会は札幌市に移すことに決めた」と述べ、すでに二者間では札幌開催で合意に達したとの認識を示した。

出典:「札幌市に移すことに決めた」とIOCバッハ会長 五輪マラソン札幌開催へ – 産経ニュース(2019年10月17日配信)

となっているくらい、IOCの決定事項は絶対なのですね。

小池都知事に伝える前に全世界に向けて発表

森会長は札幌開催案をIOCバッハ会長の権限で決定した案とし、調整委のジョン・コーツ委員長の電話を通じて「これは相談事ではない。この案でやらせていただきます」と、強い意思表示を受けたと言っていますからね。

もうドーハでの各国オリンピック委員会連合(ANOC)総会で、約200カ国・地域の代表者を前に発表しているのです。

バッハ会長の「(札幌開催は)より涼しく選手の健康を守れる。これは大きな、そして重要な一歩だ」という発言を受けて、森組織委員会会長氏は東京都内で記者団に対して「暑さ対策の一環からみればやむを得ない。組織委として受け止めるのは当然」と述べています。

森会長が、ジョン・コーツ委員長の催促を受けて小池都知事に都庁に会いに行ったのは16日でした。

小池都知事がこのことを知らなかったのは、どうやら事実のようで、それゆえ北方領土など、森会長がロシアとのパイプが強いだの、ある意味「恨み節」発言に繋がっているようです。

開催地を置き去りに、IOCの強権ぶりが前面に出た…。まさにその構図の中でのマラソン・競歩開催地変更が決まりました。

Next: いつから決まっていた?段取りが良すぎる札幌開催への変更

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