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なぜジム・ロジャーズは弱気相場ばかり探すのか?「これからの時代に勝つ」投資術=菅下清廣

例えば「ゲーム株」に注目してみる

私の手法は成長株投資(グロース)ですので、いま値上りしている人気株に常に注目していますが、すでに大幅に株価が上昇しているものに投資する場合は、短期決戦です。

しかし、成長株の中でベア(割安)になっているものを探して、じっくり待つやり方のほうが成功率が高い。

具体例を上げれば、最近の人気セクターはゲーム株だ。

なんと言ってもコロプラ<3668>が一番人気で、株価がアッという間に、約3倍になった(※編注:原稿執筆時点2019年10月16日)。それを見て、他のゲーム株で、ベア(割安)を探すというのが、もっともわかりやすいやり方だ。

そこでブシロード<7803>オルトプラス<3672>に注目。しかしブシロードもオルトプラスも、コロプラ株の急騰とほぼ同時期から急上昇。コロプラ急騰を触媒として、ブシロードやオルトプラスを買うのは、よほど素早く動かないと、株価上昇の波に乗れません

それでもコロプラ株を出遅れて買うよりは、ブシロードやオルトプラスのほうがチャンスがある

そこでゲーム株でまだほとんど動いていない株はないかなと探してみると、ケイブ<3760>イグニス<3689>などが、まだ安値圏でベア(割安)に見える。

果たして、ケイブやイグニスに将来性があるだろうか?

「もっとも不人気で弱気(ベア)な分野」をどう探す?

あるいはもっと不人気な分野、不人気な株を探すというのが、ジム・ロジャーズ氏の言う「安く買って、高く売る」、ベア(弱気相場)を探せということでしょうから、その視点で今の日本の株式市場でもっとも不人気、ベアはどこだろう?

銀行証券郵貯不動産業界などだろうか? これらの分野の企業の株価は概して、安値圏にある。

例えば、いま批判が集中している日本郵政<6178>などはどうだろうか? 今まさに株価は大底圏にある。日本郵政に将来性はないか?

私のオフィスのある山王パークタワーには郵便局がある。いつ立ち寄っても笑顔で迎えてくれて、サービスはとても良い。日本郵政のサービスも、それほど悪いとは思えない。一部に、保険の押し売りがあったかもしれないが、日本郵政・郵便局に対する信用度は世界トップクラスと言ってもいいだろう。長い目で見ると、今回のスキャンダルを契機に日本郵政の内部管理体制も改善されるだろう。

初心者の投資家にとって、弱気相場(ベア)を探せの対象としては、検討してみる価値があるのではないだろうか?

あくまで、ジム・ロジャーズ氏の「ベアを探せ!」の具体例の考え方・見つけ方を今回は紹介しているわけで、今、日本郵政の株を買え!というわけではありません。

それから、彼は、こうも言っている。

米国株の上昇が続いているが、「アップルに今から投資をしたとしても、大きく儲けることはできないだろう。アップルに投資して、大儲けできたのは、彼らのテクノロジーをほとんど誰も知らない頃から、その未来にワクワクしていた人たちなのだ」。

また、「安く買うことのメリットは、たとえ予想が外れていたとしても大損することはない。今政情不安が続く、ベネズエラに投資をするのであれば、おそらく一文無しになるほどの損害を受けることはない。すべてが悲惨な状態で相当安くなっているのだから」とも言っている。

Next: ベアを見つけたと思っても、「よく知らないもの」に分散投資してはいけない

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