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部下を管理する?それとも任せる?バランスを取るなら管理をシンプルに

「最近の若いもんは…」時代が変われば価値観もかわる。この話題は永遠になくなりませんね。今回は、ある銀座のママさんの「最近の若いもんは」の話を引用しながら、組織において「管理すること」と「任せること」のバランスをどうとっていけばいいのかお話します。

最近の若い人は言われた事はやるけれど

そのお店には常に大学生のアルバイトがいるそうです。聞くところによると、大学生にとってこういう客商売の場に立つことが社会人になって仕事に就いてからも良き糧になるだろうという考えがあるからだそうです。

そんな銀座のママさんが面白いことを教えてくれました。

「私の店では大学生をいつも雇ってるのはご存知ですよね。だけど私は今まで1度もその大学生を自分の店でそのまま雇っていたいと思った事がないんです。」

なかなか痛烈だと思いませんか?ママさんの言葉は続きます。

「最近の若い人はやってくださいと言われた事はしっかりやる。しかしそれ以上のことは一切やらない。しかし、それはやりたくないというわけではなく、やらない方が良いのであるというジャッジを自分でしているようです。

例えば、少し手の空いた時間に店の戸棚を開け、中に何が入っているか把握しておくことって忙しい時などに必ず役に立ちます。でも戸棚を開けること自体、やらないほうが良いと自身で判断して、相談されることもありません。

一緒に働いている相手が何を考えてるか、どうすればより働きやすくなるかを考えて、自分で動き出す人が好ましいですよね。」

一方で、ママさんはその学生や若い人に迷惑をかけないように、良かれと思ってなにも言いません。

ここにギャップができてしまうんだなと感じました。

管理する上司、任せる上司

これを組織における上司と部下、あるいは管理職と部門スタッフというふうに置き換えると、やっぱり同じようなギャップが生まれがちです。これはすなわち「管理すること」と「任せること」のギャップとなります。

「管理するタイプの上司」と「自主性に任せるタイプの上司」というのは漫画になるくらい昔から対比されています。どちらが良いのか?という議論もよく見受けられます。最終的にはスタッフの個性や能力を見ながら、やり方を変えていくのが素敵な上司というのが答え…みたいな話になりますよね。

でも、現実的には上司にそんなフレキシビリティーがあることは珍しく、かつ組織としてそんな属人的な素養に任せておくのは危険です。

例えば私が所属していたP&Gのような組織は、そのような属人的なリスクを回避するために組織としての管理を徹底しています。
部門やポジションによって求められる役割や必要とされるスキルが明文化されていて、上司による部下への指導もそのような指針に沿って成されるわけです。

結果、例えば洗剤のブランドのマネージャーがある日突然シャンプーのマネージャーに配置転換になってもブランドマネジャーとして求めらるスキルセットが同じなので、すぐにパフォーマンスを発揮します。

一方で、昔のライブドアのように徹底的に自主性に任せる組織も経験しました。

いわゆるジョブディスクリプションというものはなく、極めて「感覚的」に皆が動いていました。でもライブドアとして「イケてる」「イケてない」といった暗黙の合意のようなものが存在していたと感じています。

昨今では、若い世代になればなるほどガチガチに管理されるのを嫌うという傾向が確かにあるように感じられ、世代論と絡めて余計に「管理する」「任せる」問題は難しくなってきています。

この問題にどう向き合っているかといいますと、経営している飲食店ウルトラチョップにて、初期の頃はあらゆることに口を出していました。料理ができないのにメニューはこうあるべきだとか、接客はこうあるべきだとか、会計はこうするべきだとか、待っている時の姿勢はこうするべきだとか。

もちろんディテールにこだわることは、それはそれで重要なのですが、「こだわり」は時として「ワンマン」に置き換わります。実際、僕のやり方に対してある時スタッフからハレーションが起こり、お店の雰囲気がすさみ、業績が落ちました。

そして、業績を落とさないようにと口出しをして、さらに業績が落ちるというジレンマ

では、結局どうしたか。
管理するポイントを1つだけにしました。実際に何をしたかをご紹介します。

続きの実例は『銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ2019年11月のバックナンバーを購入するとお読みいただけます。
image by:My Good Images / ShutterStock.com

銀行とP&Gとライブドアとラムチョップ』(2019年11月11日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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バブル末期の日本興業銀行、日本事業を飛躍させていたP&G、事件以降の混乱から再生へ向かうライブドア、そしていきなり飲食業界での起業。期せずして得た脈絡のないキャリアは、驚きと学びと挑戦の連続でした。今回はじめて、メルマガという形で「ここだけの話」を記していきます!

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