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ケンタッキー「脱クリスマス」で業績絶好調、なぜ短期間で改革できた?=栫井駿介

この人気は今後も続く?

これから日本KFCの業績や株価はまだ伸びるのでしょうか。

今期に関して言えば、すでに期初に出した通期予想利益を超過しています。日常使いが増えれば顧客のロイヤリティも上がりますから、クリスマスの需要がさらに伸びてもおかしくないと思われます。

もっとも、今年は曜日の並びが悪く、12月23~25日は平日となっています。保守的に見て、昨年と同程度の利益としましょう。それでも、昨年の2倍近い40~50億円の営業利益をあげられると推察します。

現在の表面上のPERは、業績予想を引き上げていないことから74倍と割高に見えますが、純利益が昨年の2倍になると考えれば実質18倍と特に割高ではないことがわかります。

そこから先の成長性にも期待が持てます。クリスマス中心から日常使いに発想を転換できたことは、小手先ではない大きな変化です。

何がすごいかと言えば、追加的な投資がほとんどいらないということです。飲食チェーンが成長するには、基本的に店舗を増やし続ける必要があります。これはコストの上昇と管理の難しさというリスクの上昇を伴う諸刃の剣です。

例えば、いきなりステーキは店舗の拡大を急ぎすぎたために、その後遺症に苦しんでいます。

【関連】「いきなり!ステーキ」は失速する? 1年で株価10倍の底力をどう見るか=栫井駿介

ハードの投資がなく、ソフトの改善だけで良いのですから、売上が増えた分はほとんど利益になります。その意味で、まだ余力を残していると言えるのです。

ファストフードとしてマクドナルドやモスバーガーと肩を並べるようになれば、長期的な安定性も加わるでしょう。

株価はバブルではない

株価は急騰してなかなか手を出しにくいところです。

日本KFCホールディングス<9873> 日足(SBI証券提供)

日本KFCホールディングス<9873> 日足(SBI証券提供)

しかし、これはバブルではなく実需に見えます。少し落ち着いた頃に投資を考えてみるのも悪くないでしょう。


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image by:DutchMen / Shutterstock.com
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年12月18日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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