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ケンタッキー「脱クリスマス」で業績絶好調、なぜ短期間で改革できた?=栫井駿介

「500円ランチ」で日常利用促進

日本KFCは、どのようにしてクリスマス以外の需要を開拓してきたのでしょうか。

そのヒントとなるのが、2018年9月に公表された中期経営計画です。その中に「『お客様目線(現場目線)』における現状課題と対応戦略」という項目があります。

これまで解説してきたような、クリスマスを中心とする需要に対する問題提起が行われています。

確かに、クリスマスを入れれば通期での業績は黒字化しますが、四半期で見てたびたび赤字が発生しているというのは問題です。

赤字が発生するくらいなら、いっそその間は店を閉めたほうが良いということになります。

そこで、日本KFCが採った戦略は「日常利用の促進」です。具体的には「水曜日限定9P¥1500バーレル」「500円ランチメニュー」など、特別な時でなくとも利用しやすいような施策を行いました。

また、これまでお持ち帰りが中心だったところから、店舗内でくつろげるような改装も実施しています。

これらの施策により、これまで閑散期だった時期の安定した需要を取り込み、黒字転換・大幅な利益改善が図れたのです。

当たり前といえば当たり前の施策ですが、クリスマスに縛られていたところからうまく発想の転換が行われた事例だと言えます。

ケンタッキーが持つ潜在力を活かしたマーケティングの成功例

それにしても、施策を開始してすぐに効果が出るというのは大したものです。なかなかこうはうまくいきません。裏を返せば、ケンタッキーがそれだけの潜在力を有していたということになります。

何よりも大きいのは知名度です。ケンタッキーを知らない人はほとんどいないでしょう。クリスマスの時期になるとテレビCMもたくさん流れます。一度食べたことのある人なら、無性に食べたくなることもあるでしょう。

悪いイメージもありません。みんなが集まった楽しい時に食べるというイメージがありますから、企業ブランドがそれと結びついているのです。あえて挙げるとすれば、健康や美容にはあまり良くないということですが、それを気にする人はそもそもターゲットになりません。

最近はやたらと「健康」「ダイエット」を全面に出したがります。しかし、テレビや雑誌で取り上げられても、その後大ブームになったという話をあまり聞きません。

一方で、少し前にブームになった「いきなりステーキ」はそれとは対局にある「肉」ですし、反対に女性を意識しすぎたメニューを導入した大戸屋は客離れが進んでいます

【関連】なぜ大戸屋は男性客を裏切った?赤字転落の元凶は値上げ・バイトテロより深刻な戦略ミス=栫井駿介

健康志向が悪いとは言いませんが、マーケティングで大切なのはターゲットを明確にし、そこに向けた適切なメッセージを伝えるということです。

その意味で、高畑充希さんが美味しそうにフライドチキンを頬張るテレビCMは秀逸だと感じます。

結局、誰も食欲には勝てないということでしょう。

Next: やがてマクドナルドと肩を並べる? この人気は今後も続くか…

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