投資とは「ギャンブル的要素を消すこと」
ここまで相場見通しについて論じてきましたが、実は私はそれが当たるとは思っていません。なぜなら、投資家がすべきことは予想を当てることではなく、外れても大丈夫なように手を打つことだからです。
35億円を運用する個人投資家のテスタさんも「株で勝つというのは、いかにしてギャンブル的要素を消していくかということ。」だと言います。これが多くの人が見逃しがちな真実です。
株で勝つというのは、いかにしてギャンブル的要素を消していくかということ。
— テスタ (@tesuta001) June 8, 2019
その点、私たちバリュー株投資家がすべきことはシンプルです。相場環境にかかわらず、「いい株を安く買う」ことを徹底すれば、長い目で見ればどんな相場でも生き残っていくことができます。
AIでも5Gでもない。私が2020年に注目するセクター
私が今注目しているのは、実はAIでも5Gでもありません。どこにでもありそうな「トラック輸送」です。
トラック輸送と言えば、誰でも参入できることから小規模業者が乱立し、これまで投資に向いているとは思えない業界でした。
しかし、近年はインターネット通販の拡大で需要の拡大が続いています。一方で、人手不足が深刻化しているため、需要はあるのに捌ききれないという切実な状況が生まれています。
そこで台頭してきたのが、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)というビジネスモデルです。これは、運送会社が企業の物流システムを一手に引き受け、効率化を成し遂げるものです。
委託した企業はアウトソースによりコスト削減ができ、一方で引き受けた運送会社は規模の拡大とノウハウの蓄積により、利益を出しやすい体質となります。一度アウトソースされたら業者を変更される心配の少ない「ストックビジネス」でもあるのです。
何より注目すべきは、これらを担う会社がとにかく「安い」ということです。具体的な銘柄を見てみましょう。
【銘柄<コード>:PER】
丸全昭和運輸<9068>:8.0倍
トナミHD<9070>:9.5倍
ハマキョウレックス<9037>:11.0倍
遠州トラック<9057>:11.5倍
センコー<9069>:11.6倍
(※PERは2019年12月25日時点)
PERが低い理由としては、利益率が低いこと、そして何より「地味」な点が挙げられます。このような銘柄こそお宝が眠っているものです。
各社とも業績を着実に伸ばし、利益率も向上しています。ぜひ四季報や有価証券報告書を見てチェックしてみてください。それで「良い」と思えたら買ってみてください。筋は悪くないと思います。