先行指標は好調!大きく上値を伸ばすにもハードルが高めに
今回の雇用統計の先行指標は良好でした。特に米民間雇用サービス会社のADPが発表した雇用報告では、2015年5月以来、4年8カ月ぶりの高水準と30万人に迫る雇用者数の伸びを示しています。
ADP雇用報告は予想の倍近い数字でした。背景には天候要因があるとされ、穏やかな天候、暖冬であることなどが挙げられています。新規失業保険申請件数なども大幅に改善しています。
唯一、ISMの非製造業の雇用指数が前回を下回っていますが、これまでも非常に強かったですから、あまり気にしすぎることはないでしょう。
今回の雇用統計に関しては、ハードルが上がっている一方で、仮に予想を下回る弱めの数字が並んだとしても、そこまで大きな懸念となることはないように思います。
雇用統計の注目度は非常に高いですが、雇用統計だけが経済指標ではありません。米中の第1段階合意の影響か、1月のISM製造業指数の総合指数は昨年7月以来、6ヵ月ぶりに節目の50.0ポイントを超え、経済活動の拡大が確認されるなど、全体的に好調ですからね。
流石に非農業部門雇用者数が一桁万人以下の伸びにとどまるなど、大きな下振れがあれば、この株価上昇ラリーも一旦ストップしそうではありますが、1〜5万人下回る程度なら問題ないように思います。
また、これとは逆に好調な先行指標が続いていますから、ハードルもそれなりに高く、非農業部門雇用者数が+30万人近い数字になり、平均時給も前月比+0.5%といった数字にでもならない限りは、ガンガン上値を追っていくような展開にはなりにくいと考えています。
いずれにせよ、多少の上振れ・下振れなら、そこそこという解釈で底堅い値動きを続ける可能性が高そうで、これをメインシナリオに据たいところです。