新型コロナウイルスの感染者は3万人を超え、日本でもマスクが売り切れるなど、余波は続いています。一方、株式市場は序盤こそリスクオフ(回避)ムード一色でしたが、次第に反転し、米国株はダウ、ナスダック、S&P500の主要指数が相次いで最高値を更新するなど、非常に強い値動きとなっています。
同時にドル円も大きく切り返し、110.00円に迫る値動きとなっています。果たして、今日の雇用統計と今後のドル円相場はどうなる?ということで、今日も見どころや展望、トレード戦略について解説していきたいと思います。(FXトレーダー/ブロガー・ゆきママ)
今夜は1ドル=109.50〜110.30円を想定。有効なトレード戦略は?
中国はコロナウイルスの封じ込めに成功?
感染者数は拡大の一途をたどり、コロナウイルスそのものの封じ込めには失敗していますが、少なくともコロナウイルスに対するマーケットの懸念というのは、かなり緩和され、株価もドル円も急速に高値圏まで戻しました。
背景はいろいろありますが、中でも中国の本気の財政政策が大きいでしょう。
今週は春節明け、2月3日に中国市場が再開し、値動きに注目が集まりました。当然、大きく下げて始まったものの、パニック売りにはならず、この中国市場の限定的な値動きを確認して以降、株価を中心に急速に反発するという流れです。
このパニックを封じ込めた要因として、3・4日の2日間で27兆円という大規模な資金供給や空売りの禁止などが挙げられます。また、6日には対米関税を引き下げると発表するなど、株価を支えるならなんでもするという中国政府の姿勢が好感されています。
もちろん、コロナウイルスの影響が完全に織り込まれたかといえば、そうではありません。影響は今後の経済指標などで明らかになることでしょう。
一部では、中国経済の成長率が5%を割り込む可能性を指摘する声もあります。
とはいえ、中国が本気で経済刺激策を実施するのであれば、仮にそういった数字が出たとしても影響は限定的かもしれません。
なので、指標と中国政府の対応をセットで見ていくことが重要でしょう。
ちなみに、中国は国を挙げて対応するでしょうが、旅行キャンセルでインバウンドが大幅に低下した日本は危ないかもしれませんね。できる政策も限定的でしょうからね。
日本企業の株価の推移には警戒しておいた方が良さそうです。