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金正恩氏「脳死」を生々しく伝える韓国紙。北朝鮮を襲う後継者問題と経済危機=勝又壽良

北朝鮮経済はどん底状態

北朝鮮経済は、どん底状態にある。その経済状態(2018年)を見ておこう。

実質GDP総額:156億4600万ドル(世界順位124位)
1人当り名目成長率:686ドル(同199位)
実質経済成長率:マイナス4.15%(同207位)
(注:世界の国々は213ヶ国)

以上のように、北朝鮮経済が最悪状態に落ち込んでいる背景は、市場経済システムの崩壊がある。

公平・迅速な市場の存在は、一国経済の発展に不可欠な要件である。具体的にOECD(経済協力開発機構)は、「政党と軍による息苦しい統制や、ルールの実施や変更の方法を巡る不確実性、広範囲にわたる腐敗」を低成長の理由に上げている。この状態では、中国やベトナムのような経済発展が困難とみられている。

北朝鮮は、国が運営し農作物から工業製品まで幅広く扱う市場が、2010年の約200カ所から19年には約500カ所まで急増した。

それでも、北朝鮮経済の将来に赤信号が灯っているのは、前記のように腐敗の深刻さがある。根深い腐敗は、経済成長を阻むのだ。

腐敗の弊害を除去するには、専制政治を止めること。つまり、民主政治による「法の支配」が確立されない限り、北朝鮮における経済発展は望めないという絶望的状態にある。

金ファミリー支配では経済発展は不可能

金ファミリーが、北朝鮮を支配している現状では、経済発展は不可能である。OECDは、これを示唆しているのだ。

それを打破するには、「北朝鮮革命」しか道がない。

韓国の1人当り名目GDPは、3万3,320ドル(2018年)である。北朝鮮は、韓国の2.1%に過ぎない。これだけの差があるかぎり、南北統一は不可能であろう。

もっとはっきり言えば、南北の経済的格差がありすぎて、統一すれば韓国経済が潰れるという危険性が出てくるからだ。南北格差がありすぎて、統一は不可能という皮肉な事態を迎えている。

韓国経済に支援が重荷

韓国の文政権は、南北統一目標を掲げている。同じ民族が、38度線で分断されている悲劇は、当事者でなければ理解できないであろう。

ただ、北朝鮮は金ファミリーに支配されている。この現状を打破しない状況で、南北の交流強化は金ファミリーを支援すると同じことである。文政権の南北交流目標は、皮肉にも金ファミリーの温存に手を貸し、それが南北統一をさらに遠ざけることになるはずだ。

こういうスッキリした理屈を踏まえれば、南北交流促進が韓国国民にとって不利益をもたらす。こういう理屈が成り立つだろう――

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勝又壽良の経済時評』(2020年4月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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勝又壽良の経済時評

[月額864円(税込)/月 毎週木曜日(年末年始を除く)予定]
経済記者30年と大学教授17年の経験を生かして、内外の経済問題について取り上げる。2010年からブログを毎日、書き続けてきた。この間、著書も数冊出版している。今後も、この姿勢を続ける。

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