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新型コロナが潰す日本のキャッシュレス~ポイント還元事業の成果が水の泡となる?=岩田昭男

ポイント還元事業の加盟店は順調に増え、対象店の半数をカバーするまでになった。しかし、新型肺炎が日本のキャッシュレスを潰しかねない事態になっている。(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

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プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。

ゴールが見えてきたポイント還元事業

キャッシュレス社会の実現のために政府が音頭とって始めたポイント還元事業。昨年10月1日にスタートして早くも折り返し地点をすぎて6ヶ月目に入っている(2020年6月30日で終わる予定)。

ところがこのポイント還元事業、対象となる中小の小売店にとっては、5%のポイント還元の原資はすべて国が負担するのでまったく損をしないのに、登録の手続きが複雑なので辞退する店が相次いだといわれる。

それで先が思いやられたわけだが、蓋を開けてみると、電子マネーやQRコードといったキャッシュレス決済がよく使われるようになり、加盟店の数も順調に増えている。2月21日現在で加盟店登録は約102万店で、約200万店と言われる対象店の半数をカバーしている。

順調に推移しているポイント還元事業

半数と言うのはかなりの数だ。

還元事業開始当初は60万店もなかったから、加盟店の目印の赤いステッカーを見ることが少なかったが、今では個人経営の居酒屋やレストランに行くと大体5%還元の赤いステッカーが貼ってあって色々な所でキャッシュレス還元を受けることができる。2〜3カ月前に比べてもぐんと増えた印象がある。

一方、対象決済金額は約3.7兆円、ポイント還元額は約1500億円とそれぞ伸びており、利用の多さを示している。

特に還元額に関しては、当初1日10億円の予算を計上していたそうだが、途中で足りなくなって追加している。現在は1日約16.7億円ほどだから、さらに追加が必要かもしれない。

Next: 加盟店がもっとも多いのは石川県?/新型コロナウイルスが足を引っ張る

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