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新型コロナが潰す日本のキャッシュレス~ポイント還元事業の成果が水の泡となる?=岩田昭男

キャッシュレスを見直す動きもでてきそうだ

しかし、その一方でキャッシュレスへの見直しが始まるかもしれない。

電子マネーはカード(ないしスマホ)をレジリーダーにタッチするだけなので支払いが極めてスムーズだ。

特にJR東日本のSuicaなどの交通系電子マネーは、支払いスピードが0.2秒と電子マネー最速かつ、全国の鉄道やコンビニ・街の店舗で利用できるなど利用範囲が広い。

決済手段の1つとしてあまりに身近で、当たり前に使っているので気がつかなかったことだが、実はキャッシュレス決済の覇者はQRコードのPayPayではなく、今なおSuicaなのだ。

良い体験をした人が良き利用者になる

マーケティング業界では以前から「カスタマーエクスペリエンス」という言葉を使っている。

顧客の体験のことで、新しいツールを導入するときに、顧客に良い体験をさせることが普及のキーワードになるという考え方である。

例えばポイントで得をすると、次もその店を使おうとなる。つまり、ある店で良い体験をすると、継続してその店を使うようになるという傾向である。

その他にも電子マネーの優れた点は、決済のスピードが速い、残高や利用金額がすぐに見える。友達と割り勘がすぐにできるなどいろいろあるが、やはり決済のスピード、シンプルさが一番だろう。

お得を取る道具ではなく、ひとつの決済ツールとして秀でているのだ。そのことに気がつき始めたユーザーが増えたことにより、JR東日本のSuicaは、今や日本全国のものとなっている。

特にキャッシュレス・ポイント還元事業が始まってからしぶしぶSuicaを持たされた中高年ユーザーたちは、Suicaを初めて使ってみてそのスピードの速さに驚き、「素晴らしい。もっと早く知ってればよかった」と口を揃えて話す。

Next: 9月からはマイナンバーカード?ポイント還元事業での体験を次に活かせるか

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