キャッシュレスを見直す動きもでてきそうだ
しかし、その一方でキャッシュレスへの見直しが始まるかもしれない。
電子マネーはカード(ないしスマホ)をレジリーダーにタッチするだけなので支払いが極めてスムーズだ。
特にJR東日本のSuicaなどの交通系電子マネーは、支払いスピードが0.2秒と電子マネー最速かつ、全国の鉄道やコンビニ・街の店舗で利用できるなど利用範囲が広い。
決済手段の1つとしてあまりに身近で、当たり前に使っているので気がつかなかったことだが、実はキャッシュレス決済の覇者はQRコードのPayPayではなく、今なおSuicaなのだ。
良い体験をした人が良き利用者になる
マーケティング業界では以前から「カスタマーエクスペリエンス」という言葉を使っている。
顧客の体験のことで、新しいツールを導入するときに、顧客に良い体験をさせることが普及のキーワードになるという考え方である。
例えばポイントで得をすると、次もその店を使おうとなる。つまり、ある店で良い体験をすると、継続してその店を使うようになるという傾向である。
その他にも電子マネーの優れた点は、決済のスピードが速い、残高や利用金額がすぐに見える。友達と割り勘がすぐにできるなどいろいろあるが、やはり決済のスピード、シンプルさが一番だろう。
お得を取る道具ではなく、ひとつの決済ツールとして秀でているのだ。そのことに気がつき始めたユーザーが増えたことにより、JR東日本のSuicaは、今や日本全国のものとなっている。
特にキャッシュレス・ポイント還元事業が始まってからしぶしぶSuicaを持たされた中高年ユーザーたちは、Suicaを初めて使ってみてそのスピードの速さに驚き、「素晴らしい。もっと早く知ってればよかった」と口を揃えて話す。