コロナ禍でどうやら最初に訪れることになるのが深刻なデフレとなりそうです。ただし、いきなりハイパーインフレが到来するリスクも残っているのが現状です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2020年5月14日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
コロナ後はインフレ(物価上昇)に苦しむ?
足もとの新型コロナによる経済の壊滅的な破壊状況を、まだ大恐慌であると認識していない人が多いようです。
GDPの縮減率はこれから発表になるとしても、失業者が短期間に爆発的に示現している今の状況は、戦後のどの経済危機よりも規模が大きく、スピードも凄まじいほどの速さ。
そろそろ通常のリセッション(景気後退)程度などとは、まったく異なるものであることを認識すべき状況です。
そんな中で、市場では「インフレヘッジのためにビットコインを買った方がいい」などとブラックマンデーの時にエリオット波動理論を利用して爆発的な利益を得ることに成功したポール・チューダー・ジョーンズが口走ったりしはじめており、「いきなりインフレがやってくる」とする見方をする人もかなり多くなっています。
当メルマガでは今回も「1929年から発生した大恐慌の時がどうだったのか?」から解析をはじめてみたいと思うわけですが、これが結構、決定的な状況であったことがわかります。
1929年からの大恐慌では世界的にデフレ(物価下落)が進行
ここのところ毎回引き合いに出している1929年からの大恐慌時の経済状況ですが、29年から33年までの4年間を比較しますと、以下のような状況になったことがわかります。
・アメリカ……マイナス42%
・フランス……マイナス38%
・イタリア……マイナス37%
・ドイツ……マイナス34%
・イギリス……マイナス32%
消費者物価のほうは各国ともにもう少し影響が小さく平均してだいだいマイナス20%程度となっていますが、生活必需品だけ取り出してみても、確実に物価はデフレへと傾いていたことがわかります。
こうなるとGDPも回復するはずはなく、足元ほど個人消費がGDPに影響を与えなかった時代であっても大きく下落し、米国のGDPはこの4年間でほぼ半減してしまいました。
やはり収入が激減したことでまずはモノが売れなくなり価格が下がるデフレが広範な商品に到来していたことがはっきりと確認できます。