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au「KDDI」の名を捨て天下取りに本気。auPAYの失策大炎上を経て快進撃が始まった=岩田昭男

おとなしすぎるゴールドカード

また、少し前のことだが、クレジットカードでも、ライバルのドコモに差をつけられた。

ドコモの「dカードゴールド」は最大10%の還元率で600万枚を超える発行枚数を誇っている。

それに対抗してKDDIもゴールドカードを発行して、こちらは還元率11%を謳っていた。しかし、PR不足でいまだに冴えない。1%でも優れているのだから、ここはもっと訴求すべきなのだが、auユーザー内ですら知られていない状況だ。

というように万事が遠慮気味で、おとなし目である。

au会員に持ってもらえば良いなんて考えていると、結局その半分ぐらいしか会員は集まらない。ソフトバンクやドコモを使っている人にも持ってもらうという意気込みで営業しなければ、目的は達成しないだろう。

まず、こうした精神的なところを変えていかないとどうにもならない。

ライバル各社は意気盛ん

ソフトバンクは、Yahoo!を使って「PayPay」と「LINE Pay」を手に入れ、盤石の体制を築きつつある。昨年9月のアパレルECサイト大手の「ZOZO」を買収したのも、その動きの一部といえる。

最終目標はソフトバンクグループの中国アリババが手掛ける「アリペイ」であろう。

決済手段としてだけでなく、レストランなどの予約、保険、資産管理や融資などのサービスも提供するスーパーアプリ(1つのスマホの中ですべてのサービスの予約から支払いまで一環してできること)を目指している。

ドコモも、「d払い」を推し進めているが、インターネット上のサービスが弱かったので通販サイトAmazonの「プライム特典」、フリマアプリ「メルカリ」へのdポイント付与、リクルートの「じゃらん」「ホットペッパー」などの予約サイトとの連携と次々に分野提携を進めて、こちらも着々とスーパーアプリ化を進めている。

このスーパーアプリはauも同じく狙うところだが、現状はソフトバンクとドコモに一歩先んじられている。

これまでの戦略では後追い感が否めないため、さらに思い切った戦略をとらないとジリ貧になってしまうだろう。

Next: 後手に回っているように見えるauだが、実際にはすでに幅広い事業を持って――

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