すべてがお金で支配できるという錯覚
中国政府の振る舞いを見ていると、「権力さえあれば何をやってもいい」と思っているように感じる。そして、「権力を保証するのは経済力、つまりお金である」と。
「人間はお金で動くもの」であり、「買収こそ、個人をコントロールするのに最も有効な手段」である。
公式に入手できないものは、個人や企業を買収して入手する。技術やノウハウは個人を買収して盗めば良い。
もちろん、多くの国ではこうした行為は犯罪である。しかし中国では、法律よりも上位に共産党があり、共産党の意志とは首席の意志に他ならない。
独裁国家では、独裁者が何をしても良いのだ。
中国が反社会勢力に認定される日
中国は「世界の工場」「世界の市場」として、十分な力を持っていると認識しているのだろう。その力を政治的に使えば、世界は従わざるを得ない。少なくとも、中国に敵対することはないだろうと。
しかし、アメリカは中国を反社会的な存在に認定しようとしている。例え、マフィアに経済力があっても、真っ当な企業はマフィアとは取引しない。瞬間的な利益を得ても、最終的には社会的に葬られるからだ。
金で支配しようとしても、金を失えば力もなくなる。中国も富を失った途端に権力も失うだろう。
そのために、金融の覇者であるアメリカは戦略的に中国を締め上げようとしているのだ。
中国への資本のパイプを遮断する
アメリカは世界の金融を支配している。その代表がSWIFTである。SWIFTは《Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication》の略で、国際銀行間通信協会を意味する。
200以上の国や地域の金融機関1万1,000社以上が参加しており、そのネットワークを経由しないと送金情報を伝えられず、国際送金ができない。事実上の国際標準となっている。
アメリカは、これまでもイランに対してSWIFTによる経済制裁を行っている。制裁対象の国の銀行をSWIFTから外すことにより、海外送金ができなくなるのだ。
中国の銀行がSWIFTから外されれば、ドル建ての決済比率が高い中国の海外との貿易は成り立たなくなり、中国経済は壊滅的な打撃を受けるに違いない。