販売店の効率阻害
「Go To トラベル」初日の22日に皮肉にも東京でのコロナ感染者が300人を超え、改めて「密」を避けるよう求められています。
しかし、レジ袋を買わずに消費者が自ら購入した商品を自分のエコバッグなどにしまおうとすると、店員が袋に入れるよりもずっと時間がかかります。時に後ろの客を待たせることになり、「密」を作る一因にもなりかねません。
また、コンビニでもデパートでも毎回「袋はご入用ですか」と聞かれます。
コンビニの6月1か月の来店者数は13億人余りでした。店員は月に13億回も「レジ袋はご入用ですか」と聞かなくてはなりません。これも時間と体力を浪費します。レジ袋を買わないと、商品にテープを張って購入した商品とわかるようにするところもあり、これも手間になります。
※参考:コンビニエンスストア 統計データ – 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会
コロナ感染リスク高める
そればかりか、レジ袋の有料化はコロナの感染リスクを高める面があります。
販売員が毎回レジ袋がいるかどうか確認したり、商品を袋に入れましょうかと聞かれたり、それに客が答えるやり取りの中で、飛沫が飛ぶ機会が増えます。黙って商品を袋に入れて手渡してもらえれば、こうしたリスクも避けられますが。
また「マイ・エコバッグ」の利用を推奨していますが、これを使うたびに洗うのも手間がかかり、かといって洗わずに何度か使えば、食材の一部や野菜の切れ端などがバッグの底に残り、コロナウイルスばかりか、それ以外の雑菌がたまる懸念もあります。
レジ袋の使いまわしでも、毎回消毒しなければ感染リスクはゼロではありません。使い捨てで毎回新しいレジ袋を使う場合とは異なる感染リスクが生じます。
プラゴミの削減にならず
そもそも、レジ袋を有料にすれば、レジ袋の利用が減り、プラゴミの削減につながるのか、疑問があります。
多くの人はスーパーやデパートでもらったレジ袋をゴミ出しの際に「再利用」しています。つまり、買い物が終わればそのままゴミ箱に直行でなく、ましてそのまま海に流れ込むわけでもありません。
皆がマイ・エコバッグを使うようになると、ゴミ出しの際にエコバッグを使うわけにはいかず、結局、ゴミ出し用にポリ袋を買わなければならなくなります。
つまり、食品や生活身の回り品を買う際にレジ袋を使わなくても、日常のゴミ出し用にレジ袋の代わりとなる袋が必要になり、これを購入することになります。
その点ではプラゴミの削減効果は限定的です。