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“波平指数”にみる老後貧困の現実。「困ったらバイト」が通用しないワケ=川畑明美

波平さんは実は54歳。原作が描かれた当時は翌年に定年を控え、残り18.5年の余命をセカンドライフとして過ごす年齢です。この18.5年が波平指数と言われますが、現代男性の定年後の平均余命も、波平指数からわずかに1年ほど伸びただけです。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

平均余命を指す“波平指数”

「波平指数」というものをご存知でしょうか。漫画『サザエさん』の父親の、あの波平さんのことです。

その波平さんの年齢は、なんと54歳なんです。
参考:キャラクター紹介【サザエさん一家】 | サザエさん – 公式ホームページ

サザエさんの設定では、当時の定年55歳を翌年に控えた「初老」の父親なんです。原作は1949年に描かれていますが、当時の55歳の方の平均余命は18.5歳となっています。ちなみに、当時の平均寿命(0歳の平均余命)は63.6歳です。

つまり、「平均余命の18.5年=波平指数」というワケなのです。
参考:「波平指数」からみた社会保障の担い手論議 | 金融ITフォーカス | 野村総合研究所(NRI)

そして、現在の定年は65歳で、65歳男性の平均余命は19.83歳。65歳女性の平均余命は24.63歳となっています。

男性の平均余命は「波平指数」とあまり変化はしていませんが、今後、平均余命がもっと伸びると考えられ、75歳定年が2022年より努力目標になります。

「雇われて働く」がどんどん消えていく

今の75歳の方でも、お仕事することは可能だと考えられます。しかし、長時間労働は厳しくなるでしょう。

これは私の予想なのですが、これからの社会は平均年収が減りますが、労働時間も減ると考えられます。そして若くて体力のある方は、副業をすることが普通になるのではないでしょうか。

お仕事ができる人は企業で働くだけでなく、副業で起業する方も増えてくるでしょう。

雇われて働く。言われたことしかやらない。そんな働き方は、できなくなると思います。

Next: AIに仕事が奪われる時代、「言われたことしかできない」は致命的

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