老後の夢以外もすべて「予算化」しておく
例えば、退職したらご夫婦で海外旅行をすると決めていたご夫婦が、あらかじめ予算化しておいたお金で旅行に行ってきたとします。
旅行以外でも退職後にやりたいことを決めておき、予算化しておいて実行するのであれば、あまりお金の心配はないでしょう。
ただ、退職後、海外旅行に行くことは決めてあり、その旅費も予算化してあり、そのお金で旅行に行ったとして、その後のことは無計画だったら…どうでしょうか。
時間は潤沢にあるセカンドライフで、何をするのかを何も決めていないと、その時点から、また旅行に行こうとしても、現役時代の経験を元に起業しようとしても、菜園を借りて野菜を育てようとしても、手遅れになることがあります。
セカンドライフに入ってから「これからしたいこと」を考えても、家計収支を見て、
・今年は止めておこう
・今はやめておこう
と先送りをして、何もしないままで身体が衰えてしまいかねないのです。
参考数値として、日本人が誰の手も借りずひとりで生活できる「健康寿命」は……男性が約72歳、女性が74歳と厚生労働省から発表されています。
人生100年と言っても、統計数値ではセカンドライフに入ってからの時間は限られており、楽しむことも事前に予算化しておかないと、実際に行動することができない、机上の空論に終わってしまう可能性もあるのです。
老後の支出がわからない?
ところで、セカンドライフを迎えるにあたり心配なことのひとつに、家計支出が不透明なことが言われています。
収入はあらかじめ見当はつくが、支出がいくらくらいになるのかわからない。だから、セカンドライフの生活費のために貯めておいたお金も簡単には取り崩せない…と言われてもいます。
一般的にセカンドライフでの家計支出は年齢とともに、
・食費が少なくなった
・外出が減った
・お金が底をついた
などの理由で、支出額が減少するかもしれません。反対に、医療や介護の費用が増加して支出額が増えるかもしれません。
従って、支出額がわからないことは事実です。
では、このような状況に対応するために、どのように準備しておけば良いのでしょう?