英国EU離脱でも中国でもない、ジョージ・ソロスが怯える「第3の危機」

この1ヵ月、世界中の投資家にとっての最大の関心事は、今月23日に行われる英国のEU離脱(ブレグジット:Brexit)を決める国民投票の結果です。投票日が近づくにつれて、投資会社、ヘッジファンド、英国の中央銀行のそれぞれの思惑が錯綜する中、メディアを巻き込んでの虚々実々の駆け引きが展開されています。

何が起こるかまったく予想がつかない相場の場合、欧米の投資家は伝説の投資家の手口を分析します。その1人が、ジョージ・ソロスです。(『カレイドスコープのメルマガ』)

ゴールドに逃避した伝説の投資家・ソロスは何に備えているのか?

固唾を飲んで待ち構える投資家たち

世界中の投資家は、英国のEU離脱が世界中の市場に変化をもたらすことを待ち望んでいるようです。彼らにとって、もっとも歓迎すべきことはボラティリティ(価格の変動幅)です。

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投資家が、一定の時間内で大きな値動きがあると確信した場合、信用取引であれ、現物株の取引であれ、事前に仕込みを終えておくことによって良好なパフォーマンス成果を上げることができます。

それは、国民投票日の前から動きが出てくるでしょう。当日は、すでにインサイダー情報を掴んだ投資家たちが「売り」、あるいは(信用取引の場合)「買戻し」に入るからです。

しかし、6月23日の結果は、世界の金融を動かしている少数のグループしか分からないはずです。というのは、EU離脱問題は、メディアが予想しているような経済問題ではなく、政治問題だからです。

したがって、残り数日のイベントとしては、エリザベス女王が英国民に何等かのコメントを出すのではないかと予想している投資家もいます。

英国王室が、表だって政治問題に関する発言をすることはないはずですが、2014年9月18日(木曜日)に実施された、英国からのスコットランド独立の是非を問う住民投票の際には、投票日の4日前の14日になって、スコットランドの教会で礼拝を終えた後に「スコットランドの人々が将来について慎重に考えるよう望んでいる」と述べたのです。

この一言によって、スコットランドの独立は流れたと言います。

ですから、いくらテクニカル分析をやってみたところで市場の予想には役に立たず、王室がどんな発言をするのかに注目が集まっているのです。

とはいえ、今度のEU離脱問題では、いっさいコメントしない、ということも考えられます。それはそれで、英国王室の“沈黙の意思表示”と捉えることができます。

金(ゴールド)に避難したジョージ・ソロス

何が起こるかまったく予想がつかない相場の場合、欧米の投資家は伝説の投資家の手口を分析します。その1人が、ジョージ・ソロスです。

ウォールストリート・ジャーナルが、「弱気のジョージ・ソロスがやっと腰を上げた」というタイトルの記事を掲載しています。(原文のすべてを読むためにはウォールストリート・ジャーナルに会員登録する必要があります)

グローバル経済や大規模な市場のシフトが目前に迫っているのかも知れません。億万長者のヘッジファンド創設者と慈善家たちは、最近、弱気の投資の方向を目指しているようです。

ソロスと彼の親族が保有する300億ドルの資産を管理しているソロス・ファンド・マネージメントLLCは、株式を売却して金(ゴールド)と金鉱株を買っています。ソロスのLLCは、債券、株式…その他のさまざまな市場が弱気のトレンドに入ると予想しています。

投資家は、経済的な混乱期には、しばしば金を資金の避難所として見るのです。

しばらくの間、トレードから遠ざかっていたソロスが、やっと動き出したと思ったら、株式市場からソロリソロリと撤退して金の現物と金鉱株にしぼって資金を移しているというのです。

このソロスの動きは、世界中で資金の流れに重要なシフトが起こっていることを示唆しています。

Next: “弱気”になったジョージ・ソロス、金(ゴールド)買いに走る

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